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第8羽

 この頃になると、一部の国が、客船とゾディアックボート(丈夫な船外機付きゴムボート)を使い、南極ツアーを行うようになっていました。

 ツアーは、当初ペンギンを観察したり、ペンギンと写真を撮る程度の内容でしたが、次第に内容が過激になり、小口径ライフルを使ったペンギン狩りや、大口径ライフルを使ったアザラシ狩りに人気が集まるようになりました。

 今までは、ウィルバーやオービル達が住む北の浦には、日本の観測隊員位しか来ていなかったのですが、旅行業者が、この「空飛びペンギンのサンクチュアリ」をとうとう見つけてしまったのです。


 悲劇は始まりました。


 大量の観光客が、新型の自動小銃を手にやって来ました。

「ここは、貴重なペンギンの宝庫です。彼らを撃たないでください!」

 日本の観測隊員は、必死に観光客を制止しましたが、ある観光客に向けられた銃口の前に、何も言えなくなりました。

 そして、ツアーコンダクターの指示の下、正方形に並んだ観光客は、空をゆっくり飛ぶ体長1m近い空飛びペンギンの一群に、毎分700発の弾幕を撃ち上げました。

 空飛びペンギン達は、何が起きたかを悟る間もなく、肉と羽毛の固まりとなり、冷たい氷原に落ちていきました。

 歓声を上げる観光客。

 悔し涙を流す観測隊員。

 遠くでこの惨劇を見ていた別のペンギンは、すぐにコロニーへ帰り、みんなに叫びました!

「空を飛ぶな!銃を持った人間に殺されるぞ!人間には、殺し屋も居る!」

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