第25羽
こうして6羽のペンギン達は、装備を完成させました。
そこでみんなで成果を発表することにしました。
最初は、セルゲイです。
「これは、携行食料のCDFです。CDFは、Cubiq Dry Fish(立方体の乾燥した魚)の意味で、乾燥させた魚を、立方体に固めたものです。
唾液で少しずつ柔らかくして食べます。皆さん、食べてみて!イカやタラやいろいろあるよ!」
ペンギン達は、早速1個ずつ取って食べ始めました。
「まあまあかな~」
「急いで食べると、口の中が乾くね!」
「タラは、少ししょう油を垂らした方がいいな!」
「げっぷが、魚臭くない!」
ペンギン達の意見を聞きながら、セルゲイはメモを取りました。
次は、ペドロが発表しました。
「これは、ペンギン用無線機の”PENG-52”です。PENGは、”Personal Electric Network Gear”(個人用電子通信網機器)の略です。小型軽量で、短波から中波を使って、通信します。アンテナ線は、500mまで伸ばすことができ、短波を使った遠距離通信が可能です。”52”は、電子回路の改良が5回目、ケーシングの改良が2回目という意味です。みんな背負ってみて!」
ペンギン達は、無線機を背負い、その軽さに驚きました。そして中波チャンネルを使って、無線で楽しく会話しました。
次は、レニ。
「これは、”P-CARGO”。”Pair-towed CARGO”(2羽で引っ張る荷袋)の略で、2羽で引っ張って食料や、無線機のバッテリーなどを沢山運ぶのに使います。バリスティックナイロン製ですから、丈夫ですよ!」
早速背丈が近いアデリーペンギンのジャンとペドロのペアで引っ張り空を飛んでみました。
「袋が翼状の形状に膨らむので、袋を浮かせるための余分なスピードが必要ない。これはいいよ!」
ペドロが、PENG52で感想を伝えてきました。
最後が、コンとジャン。
「さて、北極までのルートだが・・・・」