第24話
翌朝から、6羽のペンギン達は、北極に行くための準備を始めました。
隊長のコン(皇帝ペンギン)と副隊長のジャン(アデリーペンギン)は、南極から北極までのルートを決めていきました。
医療担当のセルゲイ(ジェンツーペンギン)は、薬と携行食料(せっかく空を飛んでいるのに、おなかが空くたびに海に降りていては、疲れちゃいますからね!)を作り始めました。
技術担当のペドロ(アデリーペンギン)と、通信担当のレニは、南極のベースキャンプ(ガチャポコじいさんの家)と交信するための無線機の製作、レニは更に荷物を持ち運ぶためのカバンを作り始めました。
科学担当のティム(アデリーペンギン)は、何でも屋。いろんな所に顔を出して、アドバイスをしたり、使いっ走りをしました。
ある日ティムは、日本の昭和基地に来て隊員さん達にお願いをしました。
「すみません。今度無線機を作りたいので、この回路図で問題ないか、見てくれませんか?それと丈夫なバックを作るので、バリスティックナイロンを4m程くれませんか?」
すると回路図を見た隊員は、
「これは凄い無線機だ!うちの無線技士にチェックさせよう。あとバリスティックナイロンだけど、黒しかないけど、いいかな?針と糸は大丈夫?」
「黒で結構です。ペンギンらしい色ですから。あと、針と糸もお願いします。あと・・・」
「無線機のパーツだね。大丈夫。たくさん持ってきてあるから。」
エイザブロウさんが、ウィルバーとオービルに勉強を教えて以来、日本の越冬隊は、ペンギン用の電子部品や工具などを持ってくる習慣が出来ていたのです。