第19羽
翌週、訓練が始まりました。
午前中は、座学。最初は全員で、教養課程を学びます。数学、物理、地学、世界史、そして語学。6羽のペンギンは、初めの内こそ目を白黒させていましたが、直ぐにそれらをマスターしていきました。
例えば語学は、
ジャンはフランス語と英語
コンは日本語と英語
セルゲイはロシアごと英語
ペドロは、スペイン語と英語
レニは、ドイツ語と英語
ティムは、英語とクリンゴン語
みんなは、ティムに
「なぜクリンゴン語を勉強したんだ?あれは、スタートレックに出てくる宇宙人の言葉だよ!」
と指摘すると、ティムは、シレッとした顔で、
「クリンゴン人が来たら、私が対応するよ!私には、バルカン人並の知性と教養があるからね!」
と、Mrスポックのまねをして答えました。彼は、少々変わったところがあるようです。
午後は、飛行のための体力トレーニング。足を延ばした状態でのランニング、そして短距離走(目標タイム:50mを10秒以下)、最後にクールダウンのための水泳。
「足延ばし走」は、初めは皆変な違和感を感じていましたが、素早く走れること、そして視線が少し高くなったのが、みんな気に入りました。
6羽のペンギンは、「空を飛ぶ」という一念でしっかり学び、鍛えました。