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第9羽
北の浦のペンギン達は、急いでシャイアン山の洞窟に逃げ集まりました。
集まったペンギン達の前に、3羽のペンギンが出てきました。
皇帝ペンギンのレオニダス
アデリーペンギンのマーガレット
ジェンツーペンギンのマリア
それぞれのペンギンのリーダーです。
レオニダスは、低く落ち着いた声で言いました。
「私たちは、人間からすばらしい技術と知識を得た。これは、餌を取るため海と氷上を往復し、卵を孵すために何ヶ月も立ちっぱなしになり、アザラシから逃げ回るだけのこれまでの人生を大きく変えた!しかし、新たに来た悪い人間の前では、我々は巨大なクレー射撃の標的に過ぎない!」
マーガレットが、続けました。
「私達3羽は、新しい技術や知識がもたらすペンギン達の幸福と不幸について考えてきました。しかしその不幸が、こういう形で、これ程早く来ることは、想定外でした。早速2つの計画を実施することにします。」
マリアが、続けました。
「第1の計画は、我々ペンギンは、昔ながらの生活に戻る!もう空は飛ばない。短波ラジオで音楽は聴かない!」
周囲がざわつきました。