6.ヒーロー
………何が起こったの?
周りが暗くてよく見えないが、男の声と鈍い音が聞こえた。まさか、誰か助けに来てくれた?
「おい、どうした!返事しやが…グッ!」
………一体何が起きているの?分からない。ただ、分かることは誰かが喧嘩している。私を助けに来てくれたのだろうか?そう希望を抱いた。
「ッチ、暗くて何も見えねぇ!どこに居やがる!さっさと出てこ………」
ドサッと誰かが倒れる音がした。
「ふぅ。いっちょ上がりっと。えっと、大丈夫?ってあれ何処にいるかわかんないや。声出せるか〜?」
誰?誰かの声が聞こえるが、なんて言っているのか分からない。怖い、また気持ち悪い人だったらどうしよう。何とかして確認しないと…。
その時、また月の光が路地に差し込んだ。
「おっ。光だ。これで見つけられる。おっ、居た。だいじょ…う……ぶ…か……」
なんという事だろう。光に照らされて見えたのはさっきの英語が喋れたお兄さんだった。
「ええ!さっきの子じゃん!マジか、こんなことあるんだな!」
「!」
お兄さんは私の手を掴んできた。えっえっえっえっえっ!?どうして手を掴まれているの!?
「あ、ごめんごめん。つい興奮しちゃって。って日本語分からないんだったな。」
何か喋っているが、分からない。また、英語で話しかけてみよう。
「Did you help me?(助けてくれたんですか?)」
そう聞くと彼は
「that's right.(そうだよ)」
そう言って手を伸ばして微笑んだ。
私はその姿を見てこう思った。
《ヒーロー》だ、と。
っいや、まさかそんなことあるんだな。襲われていたのがさっきの女の子だったなんてな。って言うかこの子こんな時間まで、ほっつき歩いてるなんて、悪い子だな。仕方ない、送ってやるか。はぁ、英語頑張るか。家まで送ってあげたいけど、怖がられないかな?聞いてみるか。
「えっと、Shall I send it home?(家まで送ろうか?)」
「!! Is that ok?」
「okok」
どうやら大丈夫そうだ。次は家の場所……。いや、まぁ親御さんがいるから大丈夫……か?まぁ、放置は出来ないし聞いてみよう。
「Where is your house?(家はどこにあるの?)」
そう聞くと彼女は紙を差し出してきた。手書きで書かれた地図だった。どうやら駅から家までの道を表しているようだ。ここなら場所がわかる。とりあえず安心かな。
「Then let's go.(じゃあ行こうか)」
そう言うと彼女は頷いて俺の後を着いてきた。いや、教えてもらったのはありがたいけど、この子心配だなぁ。
Google翻訳しか勝たん!