5.やるか
いやぁ、何とかなったなぁ〜!お菓子も買えたし、パーティセットはまぁ…要らないでしょう!うん、必要ない!さぁて帰ろうか!そう言えば、金髪のあの子。もしかして、うちの高校の例の転校生か?いや、でも身長も140cmくらいしか無かったし、偶然だろう。
そうして、帰路を辿っていると、何か話し声が聞こえてきた。
「路地裏の方からか?」
いや、モーレツに嫌な予感しかしない。行きたくないなぁ。いやもう確定でしょ、誰か虐められてんだろ。けど、見て見ぬふりなんて出来ねぇしな…。
「仕方がないか…。」
俺は周りを見て誰もいないことを確認してから、暗い路地裏の中へ入っていった。
うわぁ、やっぱり。
路地裏の中では、案の定誰かが屈強な男に絡まれていた。衣服の乱れや、淫らな声や音は聞こえないため、性的問題では無いようだ。
そう思考した次の瞬間、女の声が聞こえてきた。
いや、やっぱり性的問題の線が強い。発見が早かったということだろう。それなら行動は一つだ。
「さぁて、やるか。」
どうしてこうなってしまったんだろう。私はただ、お父様と新しいお母様、お兄様の為にケーキを買いたかっただけなのに、どうしてこんな目に合ってしまったのだろう?
「ねぇ、お嬢ちゃん?お兄さんが、美味しいもの買ってあげるからこっちに来て!」
「光輝、路地裏に連れてきてそれはないでしょw」
「がはは、別にいいじゃねぇか。」
「完全に不審者っすよ。先輩。」
「こんなことしてる時点で不審者だろ。」
「それもそうっすねw」
がははと笑っている。怖い、彼らが何を話し、何で笑っているのかすら分からない。それが何よりも怖い。
「さて、早速頂くとするか。」
その瞬間、一瞬だけ月の光が路地に差し込んだ。そして、一瞬だけ見えた顔に恐怖で震え上がった。笑っていたのだ。それも全身を舐め回すような、気色の悪い笑みで。
暗い…! 怖い…! 寒い…!
何も見えない…。嫌だ、嫌だ、いや!
「somebody help!(誰か助けて!)」
「あ?何だって?」
「先輩!まさかコイツ外国人じゃないっすか?ほら!髪も金髪だったじゃないすか!」
「ナルホドなぁ。おい、お前らコイツの口を塞げ、また叫ばれたら面倒だ。」
「うすっ」
「コイツァ楽しみだ。まだ外国人の身体は見たことねぇからなぁ。」
「No!No!help me! No!……ムームー!」
「先輩、塞ぎました!」
「よし、俺が先だ。お前らはその後だ。」
怖い!怖い!怖い怖い怖い怖い怖い怖い!嫌だ…。嫌だよぉ…。助けて誰か…。お父さん…。助けて…。暗いよ。もう嫌だよ。ヤダ……。……ッ!
お願い!誰か!助けて!
「グハァ!」
「ウッ!」
……………え?