3.美少女転校生
「え?お前の母さん結婚すんの?」
コクリと俺は頷く。俺は昨日の出来事を勝希に話していた。
「まじかよ。まぁお前の母ちゃん美人だもんなぁ〜。性格がちょっとあれだけど。」
勝希は目線を横にずらす。
「しかも相手がアメリカ人ときた。」
ブッっと勝希は珍しい反応を見せる。
「は?アメリカ?」
「うん」
横目で勝希を見ると、プルプルと震えている。コイツ他人事だと思って笑いやがって。
「いやぁ。でも良かったじゃん。」
ようやく笑いが収まった勝希が言う。
「まぁ、母さんには苦労かけたからな。」
そう、皐月の母は女手一つで皐月を養ってくれていたのだ。楽にこなせる所業では無い。
「で、旦那さんの名前は?会ったことはあんの?」
「いや、あったことは無い。名前は…。そう言えば聞き忘れてた。」
「なるほどな。いつもハイテンションのお前がここまで普通のテンションだと少し引くな。」
「どういう意味だよ。」
「そのままの意味だよ。そこで、そんなお前に朗報だ。今日転校生が来るらしい。」
「マジで!!??」
一気にテンションが上がった。
「女の子か?女の子か?」
「選択肢が女の子しかないのにはツッコまんぞ。」
「で、どうなんだ?」
「わからんが、噂では女の子らしい。」
「やった!」
テンションがさらに上がった。
「ま、うちのクラスじゃないがな。」
「え」
テンションが少し下がった。
「なんだよつまんねぇな。俺の隣の席になってラブコメでも始まるのかと思ったのによ。」
「お前の席は360度既に埋まってんだろ。」
とまあ、そんな会話をしていると学校の予鈴がなった。休み時間になったら見に行ってみるか。
「なんだよ。初日ですぐ帰るってありかよ。」
休み時間になり隣のクラスへ見に行って見たが、なんと転校生は帰ったらしい。
「まぁ、仕方ないんじゃん?金髪の美少女だって隣のクラスの連中が騒いでたし外国人だろ?いろいろ手続きとかあんだろ。」
「まぁ、仕方ないか。いつか会えるしな。」
「そうだな。それよりさっさと帰ろうぜ?また、いつものようにBoons寄ってくか?」
「いや、今日は母さんに早く帰ってこいって言われてるからすぐ帰るわ。」
「そうだったな。お前も忙しいんだったな。」
「悪いな。この埋め合わせはいつか必ず精神的に。」
「どこの黒の剣士だよ。」
勝希は微笑を浮かべた。
「確か、明日の為に、歓迎グッズとお菓子買ってきて欲しいって言ってたな…。」
俺は母に頼まれた歓迎用のパーティセットやお菓子を買いに来ていた。
「やっぱり外国の人には和菓子とかが良いのだろうか…。」
うーんと俺が悩んでいると後ろから指でつつかれた。
「うん?」
そして俺が振り返るとそこには、煌びやかな金髪の少女が立っていた。