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八盟の英雄  作者: 高麗豆腐
第1章 召喚と神と王国
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命をかけた生存戦

 ()()は190㎝ほどはある巨大な兎だった。眼光は鋭く俺を捉え、口には大きく血で錆びた肉切り包丁を持っていた。

 明らかに普通ではないその存在に俺は全身から冷や汗が出るのを感じた。生存知識でも、本能でも分かる。今の俺ではどう見ても正面から勝てる相手じゃない、そう思い逃げようとも思うが、スキルからの警鐘が俺の足を動かさなかった。


 絶対に逃げられない自信があったからだ。そうなれば俺が選べる道はなんとか応戦し、逃げる事、物凄く細い希望だと生存知識、本能は理解しつつもそれ以外に道はない。

 

 そう思考を巡らしている所で、兎は恐ろしい速さで跳躍し、一気に距離を詰めて落ちるように包丁を振り下ろした。


「っ、外骨格生成!!」


 振り下ろしをなんとか外骨格で防ぐが、腕への負荷はとても重かった。


 ガリガリと削られるような感触が腕越しに伝わってくる。


 (っなんとか防げた、けど、こっからどうしろと⁉︎)


 俺がそう考えていると、兎は間髪入れずに今度は腕で殴ってくる。それも外骨格で防ぐが、今度は耐え切れず吹っ飛ばされてしまう。

 団長仕込みの受け身を取り、急いで兎の方を見ると、そこに兎の影はなかった。


 (見失ったどこに……影?)


 いきなり影で周りが包まれたと思い、上を向いてみれば、今度は先程よりも明らかに高い位置から落ちてくる兎がいた。

 

 回避は間に合わない。


「外骨格!!」


 振り下ろしの瞬間がスローになり、俺の腕へと振り下ろされる。


 バキャッ


「…え?」


 外骨格が砕けた。そしてその下にあった俺の腕がほぼ骨まであと数ミリという所まで斬られた。


「あああああああぁぁぁ!!!!!!」


 今まで感じたことのない痛みが俺を襲う。流石にこの痛みは無視できない。自動回復も間に合わない。そんな俺の醜態を見て兎はもう一度、跳躍し包丁を振り下ろす。


「ぐぅっ!」


 今度はなんとか避ける。そして兎はさっきよりも高い位置から攻撃をしていたようで、地面から包丁が抜けなくなっていた。


 (逃げるのは、今しかない!!)


 俺は脇目も振り返らず走り出した。


 (あんなのに勝てるわけない!なんでこんな目に!怖い怖い怖い怖い怖い怖い絶対に死にたくない!!!!)


 心の中でそう連呼しているが全力で走る。とにかく遠くへ、あいつから生きのびれる方法は何かないのか。

 逃げている間に、効くかどうかはわからないが、ポーション生成を一度使い、腕にかけた。すると腕の痛みはさっきよりも引き、出血も止まった。どうやらしっかりと効果はあったようだった。

 その時、また俺を影が包んだ。その影に反応し、今度は横に飛ぶと、ギリギリのところで避けることができた。


 (駄目だ、やっぱり速すぎる、逃げられない!)


 今度も高く跳躍していたらしく、地面に包丁が刺さり抜けなくなっていた。(絶対にここでしか攻撃できない!)そう思った俺は外骨格を再び生成し、今度は短剣を使い、少しでも攻撃できるように兎の背中にしがみつき、ダメージを少しでも稼ぐことにした。

 俺は強力な攻撃スキルを持っていないので、どうしてもこうやって少しずつHPを減らすしかない。

 

「は、やく、くたばれ!!」


「ぶぉぉっっ!!」


 兎は全身を振ったり、背中を木に叩きつけたりしてなんとか俺を降ろそうとしたが、俺は文字通り死ぬ気で離さなかった。




 そして、数時間後、なんとか兎は倒れ、吸収することができた……のだが、今の体はまさに満身創痍、今にも倒れそうだった。痛みは途中でなんらかのスキルを手に入れたのか、麻痺しているのか、もう感じなかった。


 (…………………)


 無意識に足が進む、どこに向かっているのかはわからない。そして俺は何かに行き着いた所で倒れ、その瞬間俺の体を包んだ灰色の光の中、俺は意識を手放した。

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