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八盟の英雄  作者: 高麗豆腐
第1章 召喚と神と王国
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目覚めとサバイバル

 「…………」


 目が覚めると、俺は地面に横たわっていた。

 あのままデッドソローに殺されたかと思ったが、何故かデッドソローは俺をスルーして帰って行ったようだった。

 

 死ななかった事に安堵と幸運だったと思いつつ、体を地面から起こそうとして、激痛が走った。幸いなのは、骨折程度の痛みでそれでも体は動かせることだろうか?アルド団長が痛みをある程度無視出来る方法を教えてくれていて助かったなと思い、1人呟く。


 「痛いな、とりあえず村に」とそこまで呟いて気づく。


 (命の危機にある現状、原因は俺が裏切られたこと)


 理由は容易に想像できた。俺の職業が厄介すぎる上にステータスも弱すぎるからだ。アルド団長は違うだろうがリンドール王国はいらないと思った物は切り捨てる方針らしい。それを思うと、アルド団長には申し訳ないが王城へ帰る気はなくなった。


 (かと言って、俺にツテがある訳でもないし、行く当てもないし、どうしよう)


 痛みを無視して動くと全身がチクチクと痛み、同時に物凄い気だるさが襲ってくる。

 「ステータスを見てみるか。ステータスオープン」 


 木城 智慧 17歳 人間 レベル6


 職業 百獣の王の器


 MAX HP 194/22

 MAX MP 50/45

 MAX SP 50/13

 MAX A 100

 MAX B 34

 MAX S 32/14


 スキル

 《吸収》《日本語》《異世界作法》《計算能力 中》《思考能力 中》《運動知識 極小》《生存知識 小》《◆◆◆◆◆》《粘液》


 試しにステータスを開いてみればHPが残り22実に8割程削られていた。俺の低いステータスからみればあのデッドソローの一撃を耐えられたのは奇跡だったのかもしれない。

 とりあえず回復のために安心して休憩できる場所を探そうと歩き始める。しばらく歩くと広くなっている場所に出た。足元には白い何かが落ちていた。


 (これは……デッドソローの骨?)


 それは俺を突き飛ばした騎士団員がデッドソローに攻撃を当て、散らばったデッドソローの骨なのだろう。周りを見れば木も倒れている。

 俺は少し考えた後、骨を拾った。


 (ダメ元で吸収を………できなくても何かには使えるから良いし、できたら最高)


 頭の中でそう呟き、できないだろうと思いながら骨に《吸収》使う、すると次の瞬間、骨が眩しく光、気付けば骨はチリになり消えて無くなっていた。


 (せ、成功した!?)


 急いで自分のステータスを確認することにする。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 木城 智慧 17歳 人間 レベル7


 職業 百獣の王の器


 MAX HP 214/42

 MAX MP 50/45

 MAX SP 78/34

 MAX A 100

 MAX B 340

 MAX S 36/23


 スキル

 《吸収》《日本語》《異世界作法》《計算能力 中》《思考能力 中》《運動知識 極小》《生存知識 小》《◆◆◆◆◆》《粘液》《外骨格生成》


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 (だけど、あの騎士は仲間扱いになる、のか?)


 そんな疑問が浮かんだが俺はスキルを試すことにした。


「が、外骨格生成」想像するのは甲殻類などが持つ外骨格を防具のように纏うこと。デッドソローの攻撃を受けた方の右腕に外骨格を描く。


 そして、呟くと俺の右腕に白い外骨格が出てきて、腕を覆った。


 (うーん、ちょっと気持ち悪いけど、腕の骨を使うわけではないみたいだな)


 俺が解除と念じると骨格はすぐに砕けた、そしてもう一度念じればすぐに骨格は出てきた。どうやら骨格の自由度は大分高いようだ。


 (とりあえず……戦闘の時に使える手段はゲット……後はスキルの生存知識とか外骨格で魔物を狩れたら良いんだけど)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 あの後はとりあえず、開けた所に出てサバイバルを始めた。これについては、生存知識のお陰でなんとなく発見できた。

 1日目

 とりあえず水が確保できる場所の発見と、角兎を狩ることに成功。なんとか食料は得ることができた。火は生存知識のお陰で起こせたので生肉を食べなければならないなんてことはなかったが味は……空腹も合わさりとても美味しく感じた。

 

 だが角兎からはスキルは手に入らなかったが、自然治癒と腹を満たせたことでHPが幾分かはマシになった。


 2日目

 緑色のスライムを発見した。今まで出会ったスライムは全て青色だったので、変異種か何かだと思う。

 初めて見る種なので慎重に戦って吸収を試みる。


 3日目になった。

 ミドリノスライム、モウイヤ。

 すごい、すっっっっごい生命力だった。Gも顔負けレベル。スライムにある核を何回潰しても死なないし、スライムだからだが切ったり潰したりができなず、物凄く時間がかかった。お陰で今日の食料確保はできなかった。もう二度と戦いたくない。

 しかし倒した甲斐はあった。新しいスキル《自動回復(リジェネレイト)》と《ポーション生成》が手に入った。

 自動回復(小)の効果は字面通り、少しずつHPを回復できた。今まで回復手段が食べることしかなかったのでとてもありがたかった。

 ポーション生成はMPを消費し、ポーションを一回復分だけ作れるという物だった。効果は使ってないのでわからない、というかMPが足りなくて一回分も作れない……いつかは作れるようになりたい。


 転落9日目。今日は良い日だ。こんな場所だが友達ができた。角兎のホーラだ。食料が足りてきたときに偶然、こちらに寄ってきた。その時に持っていた山菜を渡すと懐いた。いや、もしかしたら違うかもしれないが……非常食ができたと思うことにする。


 まあ、そんなこんなで大分サバイバル生活に慣れてきた。そして狩りで森の奥に来たのか角兎はいなくなり、少し強くなった狐のような魔物が出てくるようになったが、自分も成長できているのと団長仕込みの短剣術で、大して問題はなかった。


 そして21日経った。

 人間は慣れる生き物、誰かが言ったその言葉を俺は身をもって実感していた。俺はサバイバル生活にすっかり慣れ、今ではすっかり日常になっていた。服装は少しボロボロになり完全に壊れたら困るので普段は使わないようにしている。

 

 あまり見ていないのでわからないが、ステータスも大分上がっているようで、体が軽くなってきた。もしかしたらこのまま一生を終えるかもとも思った。

 しかし、そんな考えを壊すように、森の奥から()()は現れた。

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