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過去に戻って高校生活をやり直してたら、知らない美少女後輩が俺のことを殺しにきている件。  作者: 松竹梅竹松
第7章 高2秋・文化祭

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第7章 第7話 恋

2021年 10月21日(月) 09:16




「お兄さん教室いなかったー」



 かんなたちの出し物は、言わば去年大矢主水たちのクラスが行った喫茶店のパクリ。そこで大矢主水に話を聞いておこうと飛び出した黄冬瑠璃ががっかりした顔をして帰ってきた。



「クラスの人に聞いたらいなくなったことにすら気づかれてなかったー」

「兄貴……。ごめんね影薄くて」


「いやいやそこがまたいいんだし……」

「あんた性癖おかしいよ?」


「てかさ、お兄さんいなくてもクラスメイトの人に訊けばよかったんじゃない? この学校ほとんどクラス替えないみたいだし」

「あ、そうだった!」



 大矢卯月グループの3人がわざわざ教室の真ん中で会議をする。でもハロウちゃん曰く、去年は大矢主水が指揮をしていたらしいから大矢主水に話を聞けるのがベストだ。……いやほんと? あの大矢主水が指揮するとか考えられないんだけど。



(ハロウちゃん、どこいるか知らない?)

「見てはいませんが、イベント同好会の方は合宿所に集まってるらしいですわよ」



 合宿所……。あることは知ってるけど、行ったことはない。まぁ場所は知ってるし……。



「かんな場所知ってるから行ってこよっか……?」

「え? 場所教えてくれるなら私が……」


「瑠璃、あんた仕事残ってるでしょ。悪いけど天平さん、お願いできる?」

「う、うん……!」



 というわけで。



「大矢せんぱい、去年何やったか教えてください」



 合宿所に着き、大矢主水に訊いたわけだが。



「ああ……」



 大矢主水の様子がおかしい。1人でチョキチョキ紙を切っている姿はいつもの陰キャそのものだけど……。



「なんか怒ってます?」



 なんだろう……殺気立ってるっていうか……なんか、雰囲気が、違う。



「いや別に怒ってないけど……」

「主水っ! ちょっと合宿所出るから何かあったら連絡してっ!」

「ひゃっ、ひゃいっ! がんばりますっ!」



 生徒会長さん……いや、もう生徒会選挙は終わった時期か。宍戸せんぱいが部屋に飛び込んでくると、大矢主水の雰囲気が変わった。緊張してるというか……張り切ってる?



「悪いな大矢。少し宍戸さん借りる」

「別にお前のものじゃないが?」



 と思ったら次に来た樹来せんぱいには敵意剥き出しだ。大矢主水がここまでなるのも珍しい。



(ハロウちゃん、大矢主水どうした……)

「主水さんは桜花さんのことが好きになっちゃったんですよっ!」



 人の心が読めるハロウちゃんに訊ねると、押し入れから実体化したリルさんが飛び出してきた。って……え……?



「馬鹿じゃないんですかっ!?」

「そうなんですよっ! もっと言ってくださいっ!」



 大矢主水があの宍戸せんぱいに恋って……。無謀にもほどがある……!



「陰キャに優しい人はみんなに優しいだけなんですよ……?」

「わかってるようっさいなぁっ!」



 陰キャが陥りがちなことを進言してあげると、珍しく強い言葉が返ってきた。



 本気なんだ……。本気で宍戸せんぱいのことが好きになったんだ……。



「まぁそれなら……いいんじゃないんですか」

「神無さん! いいわけないじゃないですかっ! もっとちゃんと考えてくださいっ!」



 リルさんはどうしても大矢主水を引き止めたいようだ。そりゃそうだろう。確実にフられることはわかりきっている。



「……それでも止まれないのが恋なんじゃないのかな」



 かんなもわからない。樹来せんぱいを好きだと言ってもそれは憧れの方が強い。本当に心の底から樹来せんぱいと付き合いたいかと訊かれれば、確実にそうではないと言える。



「天使にはわからないかもしれないけど、人間ってそういうもんなんだと思うよ」



 不合理でも。間違っていても。やりたいことは、やりたいのだ。



「だから大矢せんぱい。かんなはその恋が実ることを祈っています」



 この時のかんなは間違えていた。



 大矢主水にかける言葉を、間違えてしまった。



 軽々しくあんなことを言わなければ。



 あんなことには、ならなかったはずなのに。

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― 新着の感想 ―
[一言] 最近忙しくて読めてなかったので久々に読みました!瑠璃ちゃんはどのくらいヒロインとして割り込んでくるんだ、、?
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