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過去に戻って高校生活をやり直してたら、知らない美少女後輩が俺のことを殺しにきている件。  作者: 松竹梅竹松
第6章 高2夏・林間学校

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第6章 第35話 水着回

〇主水




2019年 8月25日(日) 14:45




「水着回ですっ!」



 リルの誰に向けたかわからない宣言を無視し、目の前を見る。



 川。川だ。去年の4月。初めてのやり直しで、俺が溺れ死にかけた場所。以前は綺麗で澄んだ川という印象しかなかったが、一度流されるとそれなりに流れが速いことに気づかされる。普通に怖い。



「さすがにあたしはおとなしくしてるわ」



 以前流された黒いビキニを着た七海は、上着を羽織って岩に座る。泳げないから当然と言えば当然でもあるが、それなら安全だ。ちなみに俺も陰キャらしくあまり泳げないので水着を着てはいるが薄手のパーカーを羽織っている。よく考えたら泳げないのになんで助けようと思ったんだろう。クソ迷惑。



「そろそろ台風が危ない。早めに切り上げよう」



 俺と同じく……と言ったら失礼か。あまり泳ぐ気のない樹来も上着を羽織り、そう指示を出す。



 台風が危ないっていうかもう半分来てるんだよな……。空は暗いし、風邪は吹いてるし、雨もポツポツだが降ってきている。それなのに川遊びがしたいとか、陽キャってやっぱり怖い。



「おーく……!」



 とりあえず座れそうな岩場を探していると、フリルのついたピンクのビキニを着た水菜が横から抱きついてきた。かと思ったら、



「月長先輩?」

「……はい」



 直前で卯月に呼び止められ、なぜかとぼとぼと歩いていってしまった。少し……少しだよ? 残念ではある。



「なぁ主水、あれ見てみろよ!」



 そんな水菜と入れ替わるように、金間と真壁が近づいてきて十六夜の方を指さした。



「あれやばいよな……とんでもないよな……」



 一人川辺で佇み、何やら生き物を探している様子の十六夜。おそらく七海に買わされたのだろう。七海と同じ形状の水着からは、とても同じものとは思えないくらいの胸が飛び出していた。



「服着ててもすげぇと思ったけどさ、脱ぐとやばいわ。爆弾だわ!」

「あんなんがビキニ着てるとか最早痴女だよな……」



 すっごい失礼。



「あれだろ。少しぽっちゃりしてる子はお腹に意識を向けさせないようビキニ着るってやつ。高3の時卯月が言ってた」

「誰が高3?」

「……言い間違えました」



 ひさしぶりにミスった。俺いま高2じゃん……。



「まぁいいや。とりあえずオレ、ナンパしてくるっ!」

「お前一度フられたんだろ……?」

「知るか! うぉぉぉぉっ、十六夜さぁぁぁぁんっ!」



 真壁が遠くにいる十六夜の元まで川を泳いでいく。



「十六夜さん、なにやってんの!?」

「カマキリのおしりからハリガネムシ出てたから観察してた」

「なにやってんのぉぉぉぉっ!?」



 十六夜が一つの躊躇も見せずカマキリを手に取ったことで、ビビり散らかした真壁が川に沈んでいく。



「やばいわ……あの子やばいわ……」



 あえなく撃沈した真壁がとぼとぼと歩いて帰ってきた。それにしても十六夜、ホラーだけじゃなくて虫も大丈夫なんだな……。



「やっぱ女はクソだな! 男だけで遊ぼうぜっ!」

「おうよ!」

「お兄さん、あっちで一緒に遊びません?」



 なんかわからないけど男の友情! っていう感じになったところで、水色の水着を着た瑠璃さんが俺の腕をとってきた。



「え? まぁ……はい……」

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

「クソがぁぁぁぁっ! 主水死ねぇぇぇぇっ!」



 男共の絶叫が響く中俺は瑠璃さんに腕を引っ張られ、



「……リル?」



 誰よりもこの場を楽しみにしてそうな天使がいないことに気がつくのだった。




〇神無




2019年 8月25日(日) 14:59




「リル様、決闘を申し込みますわ」

「……はい?」



 遠くで男の絶叫が聞こえてくる中、ハロウちゃんとリルさんの戦いが始まろうとしていた。

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