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過去に戻って高校生活をやり直してたら、知らない美少女後輩が俺のことを殺しにきている件。  作者: 松竹梅竹松
第6章 高2夏・林間学校

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第6章 第19話 一番楽な方法

2019年 8月22日(木) 21:49




「風呂風呂……」



 リルと芽依との散歩を終えた俺は、タオルや着替えなどを取りに部屋へと戻っていた。罠の設置だけならもう少し早めでもよかったのだが、知らない誰かと風呂で一緒とか気まずくて仕方ない。それに加え、11時から行われるイベント同好会会議までの時間潰し。我ながらいい判断……。



「大矢ってさぁ……うざくね?」



 コテージに入って靴を脱いでいると、中から俺の悪口が聞こえてきた。



「あーわかる。あいつどう見ても陰キャだろ。必死に陽キャぶってるけど正直浮いてるよな」



 覗いてみると……誰だ。扉の近くで二人で楽しそうに悪口ってるけど見覚えが……。あー確か2年の時に同じクラスだった奴だな。名前は知らないけど1軍になりたい2軍って感じだった気がする。



「料理上手いのか何なのか知らないけど女子に囲まれてさぁ、調子乗りすぎなんだよ」



 まぁ俺みたいな奴が上にいるのは気に食わないよな。わかるわかる。俺もこういう奴嫌いだもん。



「一回シめてやろうぜ。分をわきまえろってな」



 えーシめられるの? 嫌なんだけど。今までは認識すらされていなかったが、こうなるとリア充グループも考えものだな。やっぱり一人の方が楽だ。



 さて、選択肢は二つ。入るか、入らないか。見た感じ樹来たちいないっぽいしな……俺の味方はゼロ。かと言って今の時間を逃すと風呂に入れなくなる。んー……。まぁ無視すればいいか。



「だいたいあいつさ……あ」



 扉を開けると、金髪の奴と目が合った。でも無視だ無視。コンビニの前にいるヤンキーと一緒だ。



「おーおー。人気者の大矢さんじゃないっすかぁ」



 ひぇ。肩組まれた。人肌苦手なんだよな……。



「人気の秘訣教えてくださいよぉ。なぁ、無視してんじゃねぇよ」



 もう一人の奴も俺を取り囲み、壁際に寄せてくる。なに? なんて言ってほしいの?



「ごめんなさい調子に乗ってました許してください」



 困った時は謝罪だ。靴舐めは汚いから嫌だが、土下座くらいならしてやってもいい。減るものでもないし。



「なにがごめんなさいだ? 見下してんじゃねぇ、よ!」



 ……腹パンされたなぁ。鳩尾入ったぞいった。



「いや見下してないですよ。ほんとごめんなさい。僕が悪かったです」

「だからなにが悪いんだって聞いてんだよ!」



 もう一人にも腹パンされたんだけど。痛いなぁ……。



「? おらぁ!」

「ねぇせめてなにか言ってから殴ってくんない?」



 さすがに二周目に入ったら文句くらい言わせてほしい。



「うっせーな。ちゃんと入んなかったんだから仕方ねぇだろうが!」



 はい二周目終わり。ていうか入んなかった? あー鳩尾か。普通に入ってるし普通に痛いんだけどさ……。死ぬほど痛くなければ耐えられちゃうんだよなぁ。



「いやちゃんと痛いんで……もう許してください。いたた……痛いぃ……!」

「お前ほんとうざいわ。死ねよおら!」



 今度は腹蹴り飛ばされたけど……死ぬほど痛くはないなぁ。あと簡単に死ねって言っちゃいけないと思う。



「え、待って、さすがに潮時じゃない? ほら、そろそろいじめじゃすまなくなってくる気が……」

「いじめてねーよ! なぁ!」

「別に痛くないだろ? 手加減してるんだからさ!」



 足払いを受けて尻もちをつく俺を二方向から蹴っていく二軍たち。二人とも力抜いてるつもりだろうけど怒ってるせいで普通に痛いんだよな。まぁとりあえず。



「顔はやめてほしいんだけど、いい?」



 腹にどれだけ痣ができようがどうでもいいが、見えるところだとリルに気を遣わせて力を使わせてしまう。だがその態度が二人の怒りに触れたようだ。



「いっちょまえにイケメン気取りか? あぁっ!?」

「調子乗ってんじゃねぇぞクソ陰キャがっ!」



 ちょっとエスカレートしてきたなぁ。顔蹴られて歯飛んだんだけど。普通に周りに人いるのにいいんだろうか。



 さて、いい加減風呂に入りたくなってきた。でも立ち向かったところで勝てるわけもないし、逃げても後が面倒だ。風呂に入った後に汚れたくない。じゃあまぁ、仕方ない。



「よっ!」



 ボキ、という心地いい音と、電気が走ったかのような痛みが左手の薬指に奔る。さすがに少し、痛いな。



「これで許してくれませんか? 中指くらいなら追加で折ってもいいんですけど」



 骨が折れて外側に大きく曲がった指を見せ、頭を下げる。左手の薬指くらいならなくなってもたいして困らないという判断をし、自分で折ることにした。痛いけど風呂に入れない不快感に比べたら幾分かマシだ。



「おま……それ……」

「救急車……呼んだ方が……」

「えぇ……今さら……?」



 中々のグロテスクな光景にビビったのか、二人が日和ったことを言い出す。別に救急車呼ぶほどのことでもないが、作戦は成功だ。



「階段で転んだことにしておくんで安心してください。それじゃ、そういうことで……」



 もう一度頭を下げて立ち去ろうとしたその時、悲劇は起きた。



「おーくん――私は誰をぶっ殺せばいいの?」



 本当にシャレにならない奴が、男子部屋にやってきた。

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[一言] 水菜チャンッッッ!久々のご登場!!
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