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過去に戻って高校生活をやり直してたら、知らない美少女後輩が俺のことを殺しにきている件。  作者: 松竹梅竹松
第6章 高2夏・林間学校

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第6章 第1話 初めての

2019年 8月20日(火) 17:43




(まさか天平がイベント同好会に入るなんてな……)



 やり直し恒例の美容院アリエスでの散髪を行いながらリルと会話する。いや、恒例じゃない部分もあるか。



『そうですね……。少し面倒です』



 そう返したリルもまた、俺と同じように言葉には出さず頭の中で会話している。現在のリルは普通の人にも見える実体化中。後ろのソファーに座り、興味深そうに雑誌を読んでいる。



『私が実体化できないということは、主水さんの側にずっといられないということ。そこを狙われたらひとたまりもありません』



 天使の身体は土に弱い。表面は綺麗になったと言っても、リルの体内にはシールソイルがまだ残っているそうだ。だから天使そのものの姿よりも、人間に近い実体化していた方が楽らしい。



 ものすごい無理をすればずっと天使態でいることもできるそうだが、そんなことを聞いてはいそうですか今まで通りお願いしますと言えるわけもないので、実体化し続けてもらっている。



(まぁ幸い林間学校の参加者に入れることはできたし、今回はなんとかなるだろ)



 宍戸さんが言っていたが、林間学校の参加者の内2人が急遽行けなくなったらしい。そこで学校の部外者ではあるが、リルをその枠に入れることにした。



『今回は、です。今回で生き返ることができなかった場合、次は暦祭。当日はまだしも、準備期間は完全に無防備です」



 リル曰く、身体から土が完全に抜けるまで約2週間かかるらしい。つまり今回で失敗したら、たぶん。俺は抵抗もできずに天平に殺される。



 だが俺が生き返るには、俺が打ち上げに参加しなかった理由。できなくなった理由を突き詰めなければならない。あるいはそれ以上に仲良くなるか。



 正直、きつすぎる。理不尽なほどに、きつい。



 それでも努力するしかない。諦めたら、死んでしまうのだから。



「はい、終わったよー」



 状況の厳しさに頭を悩ませていると、突然店長さんの声が耳に届いた。顔を上げると、スポーティーなツーブロックに近い髪型ができあがっていた。



「ありがとうございました」

「いえいえ。そうだ、古布さんだっけ? せっかくだから髪切らせてよ。いいハサミ買ったんだよね」

「ふふ、構いませんよ。私の髪は無敵なので!」



 以前リルの髪を切ろうとしたが、身体同様髪も固く、どうにもならなかったことがあった。だから今回も大丈夫だろうと俺と代わってリルが椅子に座ったが、



 じょきん。



「……あ」

「ひょぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

「おー、切れた」



 思っていたよりも弱体化はひどいようで、リルの腰まで届く後ろ髪は、無惨にもハサミに負けてしまった。




2019年 8月20日(火) 18:22




「大丈夫だよ、似合ってるから」

「…………」



 ここまで露骨に不機嫌なリルは初めて見たかもしれない。



 自分で構わないと言っていたから店長さんに全く非はないのだが、見事に後ろ髪を切られてからリルがほとんど口を利いてくれない。



 まだ胸の後ろ辺りまでは残っているし、充分長い方。しかしリルは後ろ髪を頭の右上の方で纏め、サイドテールを作ってムスっとしている。



 正直言うと、普段の神々しさはあまりない。でもこっちもこっちで親しみやすさがあって、とてもかわいらしい。



「……まぁ、別にそこまで気にしてませんけど」



 ? なんか急に機嫌よくなって髪先をくるくると弄り始めた。まぁ機嫌が直ったなら言うことはない。



 それよりも、これだ。今のリルは実体化したまま。つまりどこかに泊まらなければならない。だからこの選択肢しか、なかった。



「なんだか緊張しますね……」

「いつもと変わらないはずなんだけどな……」



 今日初めて。リルは俺の家で寝泊まりすることになった。

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[一言] お泊まり回だ!!!!
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