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過去に戻って高校生活をやり直してたら、知らない美少女後輩が俺のことを殺しにきている件。  作者: 松竹梅竹松
第5章 高2春・新入生歓迎会

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第5章 第28話 光臨

〇主水




「……ふふ。あはは……!」



 俺の言葉を聞いたハロウが笑う。馬鹿にするように。憐れむように。



「確かにリル様は生きてはいますが……クク。鉄の檻を人間が壊せると思いまして?」

「お前に言ってないんだよ……黙ってろ」



 あぁくそ……痛い。これ絶対に後で死ぬだろ。一応右腕上げてるけどさ……血めちゃくちゃ溢れてるんだけど。



「言ったよな……リル。俺が天平を抑えられれば億パー勝てるって……。約束は守ったぞ……」

「だから。無駄だと言っているでしょう? あなたの声はリル様には届かない」

「いいや届いてる!」



 痛みでアドレナリンが出ているせいで、ハイになっていると自分でもわかる。生きている証拠だ。



「俺のリルを舐めんなよ……! リルはな……いつだって俺の予想を超えてくるんだよ……! 気絶させたのにすぐ治るし……」

「舐めていませんわ。それでもこのシールソイルから抜け出すなんて不可能。ありえないんですのよ」



 ありえない……か……。悪いけどそれは俺の得意分野だ。



「陰キャボッチが天使と仲良くできるまできたんだ……。世の中にありえないことなんてないんだよ……。生きてさえすれば……!」

「何度言ったらわかりますの? 生きていたってできることとできないことが……」

「お前たちにはわかんねぇよ……!」



 身体が痛い。目が眩む。頭がふらつく。だからこそわかる。



「人生にプラスを求めているお前たちには、ただ生きるだけのことが辛くてしんどくて難しい俺たちの気持ちはわからない」



 そしてそんなどうしようもない俺たちだからこそ。地の底からじゃないと見えない景色がある。



「慣れるんだよ……。どんな地獄でも、ずっといればそのうち慣れてくる。ボッチだって、死ぬことだって、慣れてきた」



 だからこそ3秒で絶命するほどの雷撃にも、腕を斬り落とされるのも絶えられた。もう既にそれ以上のことを何回もしてきたから。



「はぁ……」



 俺の言葉など聞く価値もないと言わんばかりにハロウはため息をつく。



「言ってもわからないようならいいですわ。確かにあなたの言う通り、わたくしとあなたたちは違う。わたくしは頂点へと……」

「めちゃ、くちゃ! 苦しい、ですっ!」



 それは光を放ってとか、かっこいいことを言いながらではない。



 ただただ不細工に。苦しみながら、殻を破ってきた。



「おせぇよ……リル……」

「いや思ったよりしんどくて……」



 不可能だと。ありえないと言われたリルが。やっと帰ってきた。



「そんな……はずは……! どうやって……!?」

「いちいち説明するのもめんどうです……。あなたでかってに想像してください……。と言ってもだいたいは主水さんが説明してくれました」



 そう語るリルの白い肌と服は泥に塗れてとても汚い。



「死ぬ気でやればできないことはない、らしいですよ。私もつい最近学んだことです」



 だからこそ、今。ここにいる。



「主水さん。ちゃんと声、届いてま……」

「そんなことより腕! マジで痛くて死にそうだから早くなんとかしてくれっ!」



 リルが帰ってきてくれてホッとしたら痛みがやばくなってきた。いやこれほんと痛いな! 死ぬ死ぬ死ぬっ!



「ほんとに最後までかっこつかない人ですね……。大丈夫ですよ! 団長だって腕なくなっても生きてました!」

「誰だよ団長って! そんな肩書持ってる奴と同じにするな!」



 どうせリルが大好きな人間界の漫画のことだろう。リルらしいといえばらしい。



 つまり、後は任せておいて問題ないということだ。



「さて、主水さんが本気で死にそうなので……。腕、治してもらいましょうか」

「……ふふ。万全のあなたならまだしも、土に塗れ弱ったあなたを倒すくらいわたくしにだってできますわ。さぁ、最終決戦といきましょうか」

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― 新着の感想 ―
[良い点] せっかくかっこいいこと言ったのに締まらないねぇ。 まぁ、そこがいいんだけどね! [一言] さてハロウが盛大にフラグを立てたが、 リルが弱っていることは確実。 さぁ、リルはどう出る?
2021/07/15 18:04 Consideration_0
[一言] エルヴィン団長ォ!取り敢えず助かって何より☺️
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