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過去に戻って高校生活をやり直してたら、知らない美少女後輩が俺のことを殺しにきている件。  作者: 松竹梅竹松
第5章 高2春・新入生歓迎会

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第5章 第12話 脅迫~碧の場合~ 後編

 七海文。暦学園高校を大きなクラスで表した時、確実に頂点に立つ人間の一人だ。名実共にキングである樹来紅の彼女であり、彼女をクイーンや女王と呼ぶ人間は少なくない。



 モデル顔負けのスタイルに、ケバくないながらもピシッと決めたメイク。鮮やかな金髪が日本人のくせによく似合っており、そして。圧が、強い。



「あんたが水菜が言ってた主水の敵って子? 主水の次は碧って……陰キャ狩りでもしてるつもり? あんたも充分陰キャくさいけど」



 この女が大矢主水と友人関係にあることは聞いていた。でもここまで。わざわざかんなに会いにくるほどとは思わなかった。



 月長水菜に頼まれたからなのか。あるいは単純に大矢主水との関係からなのかはわからない。だが十六夜碧とも下の名前で呼ぶ関係にあることを考えると接点は大矢主水……。いや、ありえない。大矢主水にこの学校のクイーンを動かせるほどの力があるわけがない。



「や、やだなー。かんなはただ挨拶してただけですよー」



 いずれにせよ厄介だ。入学早々この女に絡まれたら、かんなの立ち位置は最底辺になってしまう。



「ふーん……。碧、この女にひどいことされた?」

「さ、されたっ! この子ひどいのっ! 文ちゃんなんとかしてっ!」



 くっ、陰キャコンビ……。翡翠芽依と十六夜碧もめんどくさい。そしてなにより。



「おーくんに手出しておいて無事で済むと思わないでね~? あなたの高校生活もう終わっちゃったから~」



 月長、水菜……! なんなんだ。なんで大矢主水は、これほどの人間を動かせる……!



「ほんと、ただお話してただけなんで……それじゃ……」

「待ちなよ」



 ばん! と。七海文が壁を平手で叩いた。大きな音が鳴って、廊下を歩く生徒たちの視線がこちらを向く。



「あんたがこんなことする理由はどうでもいいけどさー……。あたしの友だちを傷つけるならこっちも容赦しないから」

「…………」



 何を、えらそうに。こっちは当たり前のことをしているだけだ。責められる謂われはない。



 そうだ。かんなの方がえらい。今のかんなには、力がある。神様のような、力が。



 暴力でわからせてやればいい。所詮は高校生の友だちごっこ。ちょっと痛い目見せれば大矢主水くらい簡単に売って……。



「ごめ、んなさい……」



 それでもかんなは、動くことができなかった。



 たとえ力で勝っているとわかっていても。それでも陽キャは、やっぱり、恐い。




2019年 4月2日(火) 15:34




 くそ……!



 なんで。どうしてこんなことになっている。



 昨日は。かんなの方がずっと有利だったはずなのに。気づけば今日一日で逆転されている気がする。



 あの、クソ陰キャ野郎。大矢主水に。



 認めない。認めたくないが、認めるしかない。現状は大矢主水の方が若干有利だ。



 大矢主水を殺すことはいつだってできる。でもただ殺すだけじゃ意味がない。全ての人間関係を奪い、絶望させてから殺さないといけないのに。それができないでいる。



 まだ手はあるにはある。真壁淳(まかべじゅん)というチビのお調子者男も大矢主水の友人の一人ではあるが……ただの馬鹿でまともな過去がない。これに接触を図るだけ時間の無駄だろう。



 だとしたら、あの人しかいない。



「天平神無さん」



 放課後になってすぐで、人が溢れる教室に。一筋の光が射した。



「少し話をしないか?」



 樹来紅。暦学園のキングであり、超絶イケメンのめちゃくちゃかっこいい陽キャせんぱいが。爽やかな笑顔でかんなをご指名してくれた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 今の樹来、若干卑屈だから無自覚にトドメ差しそう
[一言] ざまあ多くて嬉しいです!
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