深き愛情故に罪人となった男 2
続編の投稿です!
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皆さんのアドバイス全てが私の糧になったら良いなと思います。
ではどうぞ!
「いいかロイド。この街では逆らってはいけない奴が4人いる。いずれも高額賞金首の奴等だ。ちょうど良い、その4人の賞金首リストを見せてやろう。」
ゴードンは自分の机に行き、引き出しから4枚の紙を取り出した。それを俺に渡してくると、
「そいつらが話をした4人だ。実力があるのはもちろん、性格にも難があり非常にやっかいな奴等だ。この街で生きていくのなら、そいつらの顔と名前は絶対忘れるな。」
そう言われ、賞金首リストに目を通すと、
氷の女帝 フローリア。
爆炎の魔女 オリヴィア。
死の案内人 カーライル。
猛毒の処刑人 ヴェノム。
この4人か……。1人はすぐ隣にいるけどな。
どれどれ、オリヴィアの賞金は……。
【爆炎の魔女 オリヴィア 懸賞金 金貨1500枚】
高ぇ!金貨1500枚って何年働いたら稼げる金額だよ!
チラッとオリヴィアの顔を見ると、
「凄いだろ!私もやる時はやる女なのさ!」
「頑張る所間違えてるー!」
はぁはぁ。思わず全力でつっこんでしまった。
しかし、さっき話に出たカーライルという男もこのリストに載っている。冷静になりもう一度リストを覗くと、
【死の案内人 カーライル 懸賞金 金貨2500枚】
【猛毒の処刑人 ヴェノム 懸賞金 金貨3000枚】
【氷の女帝 フローリア 懸賞金 金貨5000枚】
……ちょ、超高額〜。
今までにも賞金首リストを見たことはあったが、懸賞金が4桁なのは見たことがなかった。
こんな数字もあるんだなー。
現実逃避しているとゴードンが、
「今回の相手は分かったか?もう一度依頼を確認するぞ。まず、カーライルの組織【ステュード】に行き、薬を入手する。入手後は、その足で貴族街へ行きフェーン子爵に薬を渡す。以上だ。では頼むぞ。」
「頼むじゃねえよ!4桁だぞ!死にに行くようなもんだろ!」
「ロイド。仕事上そいつらと関わることはある。だから慣れるしかないぞ。」
ここで働くのやめようかな……。
初めての仕事がこの街の四天王と呼ばれる奴と関わる依頼だとは……。新人にやらせる仕事じゃねえよ。
オリヴィアはソファーから身体を起こし座り直すと、
「カーライルの所に行ったら薬は貰えるのか?さすがにあいつとドンパチやるのは疲れるんだけど?」
「それについては大丈夫だ。既に連絡し売ってもらう事になっている。これがその金だ。」
机の上にドンッと重たそうな袋が置かれる。中身はおそらく金貨だろうが一体何枚あるんだろう?
金貨の入った袋をオリヴィアが掴み、
「よし!行くぞロイド!さっさと仕事終わらせて飲みに行こうぜ。」
「簡単に終わればいいけどな。」
「金持って行って薬を貰う。それを届ける。これだけだぜ?簡単な仕事だ。」
「……それもそうだな。行くか。」
「2人共、気を付けていけ。仕事が終わったら飯でも食いに行くか。」
ゴードンの激励?のような言葉を聞き、俺達はアジトを出た。
オリヴィアと俺はカーライルの所に向かって、会話をする事もなくひたすら貧困街を歩いていた。俺は情報が少ない為、ひとまずカーライルの事をオリヴィアに尋ねてみた。
「なあオリヴィア。カーライルってやっぱり異能持ちなのか?」
「当たり前だろ?そうじゃなきゃ四天王とか大層な呼び方されねえよ。」
「だよなぁ。どんな異能を持ってるんだ?」
「あいつの異能は厄介なんだよ。確か自分の血を操る能力だったはずだ。あーあ、めんどくせぇ。」
血を操る……か。薬を受け取るだけだが、注意は必要だな。
そんな事を考えているとオリヴィアが止まりこちらを向くと、
「もしカーライルの野郎とドンパチする事になったら、お前は逃げてろよ?言いたくないが、あいつ実力は結構あるからな。」
「オリヴィアでも勝てないのか?」
「あぁ?お前、頭の風通しよくして欲しいのか?私の方が強いに決まってるだろ!」
あぁ。聞いちゃまずかったかな?オリヴィアが怒りだした。
「まあいい。それより着いたぜ。」
「ここが?ここって病院だよな?」
「そうだよ。あいつの組織の表の顔は病院を運営してるんだ。」
失礼だが、貧困街には似合わず綺麗な建物が目の前にあった。見た所、5階建ての立派な病院だ。
「さあ行くか。楽しいパーティーの始まりだ。」
腰につけた銃を確認し、ニヤリと笑いながらオリヴィアは病院に入っていった。
薬貰うだけだからな?受け取るのに銃はいらないぞオリヴィアさん……。
はぁ……。行くか。
これから先の事を考え、ため息をつきながら俺も病院へ入った。
初めての依頼でまさかの四天王が絡んできました!
ロイドはどう依頼を進めていくのでしょうか?
オリヴィアはどんな風に依頼をこなすのか。
期待して頂けると嬉しいです♪




