ロイドの最高?で最悪な1日 終
本日で第3話は終了です。
「ありがとうございましたー!」
「美味しかったねぇ〜ロイ兄。」
「美味しかったね……。」
ふっ。燃え尽きたぜ。
財布との死闘を終え、真っ白に燃え尽きた俺と幸せそうな表情のレイちゃんがいた。
レイちゃんがこちらを向き、
「ロイ兄本当にありがとうね!レイ嬉しかった!」
「喜んでくれたんならそれでいいよ。」
そう言いニコニコと笑っているレイちゃんが隣に来て、
ギュッ。
と、手を繋いできた。
俺はびっくりしてレイちゃんの方を見ると、
「えへへ〜。ダメかなロイ兄?」
もう何なのこの子。可愛すぎるでしょ!
俺とレイちゃんが笑っていると人混みの中からこんな声が聞こえた。
「おい!女帝がいるぞ!」
「何か探してる!こりゃなんかあるぞ!」
ん?女帝ってもしかして……。
そう考えているとレイちゃんが、
「ロイ兄!こっち!」
急に走り出し、躓きそうになるがなんとか耐え一緒に走り出す。
「どっどうしたのレイちゃん!」
「後で説明するね!」
そう言い走るスピードを上げる。
どうしたんだろう?と思いつつふと後ろを見ると、
!?!?!?
なんか、氷山が出来てるんですけど……。
何あれ?
レイちゃんもそれを見て、
「うわぁ〜。絶対怒ってるよ〜。」
と、呟いた。
おっ怒ってる?誰が?
そう思ったがなんとなく、何も考えない方が良いと感じた。
商業街の外れにある公園に辿り着き、俺とレイちゃんは息を切らしながら止まった。
「こっここまで来たら……大丈夫かな?」
「レ……レイちゃん。一体……誰から逃げてるの?」
「それは……。」
「見つけたぞレイナ。それに、そこにいるのはロイドか?」
聞き覚えのある声が聞こえ、まさかと思い振り返ると、
……おぅ。
女帝がそこに立っていた。
フローリアは少し怒り気味に、
「ロイド貴様。私の妹を誑かしていたな?」
「いや、いきなり何の話だよ。」
「問答無用だ。死ぬがいい。」
一気に周囲の温度が下がっていく!
寒っ!と思った次の瞬間……。
パキパキパキ。
空中からいきなり氷の棘が現れた!
嘘、だろ……おいおいおいおい!
ヒュンヒュンヒュンヒュン!!!
棘が一斉にこちらに向かって来た!
ちっ!3倍強化!!!
レイちゃんをお姫様抱っこし、
シュッシュッシュッ!
フローリアの放ってくる棘を避ける!避ける!
「貴様……。誑かすどころか、抱きつくだと?」
「待て待て待て!ストップだフローリア!」
「そんなに死にたいか貴様。」
フローリアは地面に手をつき、
バキバキバキバキ!!!
氷の針が地面から生え、俺に迫ってくる!
やべぇ!
俺はジャンプしてなんとか回避したが、
「捉えたぞ。終わりだ。」
フローリアが既に棘を用意しており、飛ばしてきた!
あっ、詰んだわコレ……。
俺が諦めた表情をしているとレイちゃんが、
「ロイ兄諦めたらダメだよ。」
バリバリバリ!!!
レイちゃんの手から電撃が飛び、フローリアの氷を全て消し飛ばした!
……えぇ!?
「レイちゃん異能持ちだったの!?」
「えへへ。そうだよ!ロイ兄がカッコよくてずっと見てたの!」
なっなんですかそれ〜!!!
俺が必死の思いで逃げ回っているのをレイちゃんは楽しく見てたのかよ!
フローリアは眉を上げ、
「レイナ。何故そんな男を庇う。」
「ロイ兄はね!姉様に負けずに戦ったかっこいい男の人だよ!」
「なんだと?」
「レイはね……。ロイ兄のお嫁さんになるんだから!!!」
プチッ。
あっ……。なんか聞こえたような気が……。
「ほぅ。ロイド……。貴様という奴は……。」
「違うから違うから!フローリアさん?それは無いから!」
「え?ロイ兄違うの?」
お願いだからやめて!
この姉妹の板挟みはやばいから!
目の前には、怒りの余り周囲を全て凍らせた女帝。
腕の中には、目をうるうるさせながら見つめてくる妹。
……これ、どうしろと?
ええい!もうどうにでもなれ!!!
「かかってこいフローリア!」
「キャー!ロイ兄かっこいいよ!素敵!」
「ロ〜イ〜ドーーー!!!!!」
フローリアは氷の龍を生み出し、俺に攻撃してきた!
はい〜終了ー!
と思ったら、レイちゃんが地面に立ち、
「姉様のバカ〜!!!」
バリバリバリバリ!!!
ズガァーン!!!
レイちゃんの凄まじい電撃がフローリアの龍を破壊した!
すげえ……。
「レイナ!お前に恋愛などまだ早い!」
「姉様には言われたくないよ!」
バリバリバリ!
ピキピキピキ!
ガシャーン!ドォーン!
なんちゅう戦いだよこれ。
何故か異次元の姉妹喧嘩を特等席で見る事になった俺。
実力が拮抗していると思ったが次の瞬間、
「きゃっ!」
と、レイちゃんが足を滑らせ転んだ。
フローリアが近付き、
「お仕置だレイナ。」
ヒュン!
レイちゃんを叩こうとしたフローリアの手を掴み、
「それはダメだフローリア。家族に手を出すのは。」
「黙れ!元はと言えば貴様が……。」
「ロイ兄!目を閉じて!」
俺は目を閉じた。すると、
ピカーーー!!!
「くっ!?レイナ、貴様ー!」
目を閉じている俺の手を掴み、
「ロイ兄逃げよ!」
と、レイちゃんと走り出した。
貧困街……。
「ここまで来たら大丈夫かな?」
レイちゃんはそう言い一息ついた。
今日はなんて日だよ……。
悪魔を見事追い出し、天使に出会い最高だと思ったら、鬼が追ってくるとか……。
今日は疲れたわ。と思っているとレイちゃんがこちらに来て、
ギュ〜!
「えへへ〜。ロイ兄今日はありがと!ロイ兄の事大好きになっちゃった!」
「えぇー!?」
「ダメ……かな?」
「いや、ダメとかではないけど、そんな急に言われても……。」
「……そっか!じゃあお友達からだね!」
「そうだな!まずは仲良くなろう。」
「ロイ兄とお友達〜!」
頭をグリグリと擦りつけてくるレイちゃん。
もう可愛すぎる〜!
最後に幸せな事が……と思っていると、
「よぉロイド〜。なぁに楽しそうな事してんだよ?」
ビクッ!
ギギギギッと壊れた機械のような仕草で後ろを向くと、
悪魔がニヤニヤと笑っていた。
目は笑っていないが……。
「まさか私と飲む約束を放り出してデートとはなぁ〜。」
「待てオリヴィア。まず飲む約束はしてないからな?」
「ロイ兄、誰このおばさん。」
ピキピキ!
あぁ〜。レイちゃん……。貴方は人を怒らせる天才なの?
オリヴィアは拳を振り上げ、
「誰が……おばさんだこらぁ!」
ゴツン!ドォーン!
おい、俺かよ……。
目の前で言い合いをしているオリヴィアとレイちゃんを見ながら段々視界が暗くなっていく。
今日の最後がこれって……。
ハッピーエンドなの?バッドエンドなの?
もう……なんでもいいや……。
パタン……。
俺はとうとう力尽き意識を手放した。




