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絶望に染まる少女と少女の幸せを願う青年 6

2話目になります!

どうぞお楽しみください♪




「えぇ〜!って痛たたたっ。」

「無理するなと言っただろう。お前はあれか?バカなのか?」


 初対面の人間に遠慮なく言うなこの人。

 俺の目の前にいる男、ヴェノムはタバコを吸い俺の事を呆れたように見ていた。

 そのヴェノムに向かってオリヴィアは急に銃口を向け、


「何しに来た?」

「おいおい。お前等は今何の仕事してるんだよ?用件はそれだ。そんな事もわからんのかお前は。」

「あんたは依頼と関係ないだろ!」

「あるから来たんだよ。それくらい理解しろバカが。」


 この人凄いな。

 仕事終わりの興奮してるオリヴィアに次々と暴言を吐いてやがる。

 オリヴィアのイライラが増し、


「よーくわかった。ここで死にたいんだなお前は。」

「今から俺とやり合おうってか?そんなに死にたいなら1人で自殺してこい。」


 シーン……。

 少しの間、沈黙で全員が止まる。

 そこでコーヒーを入れ戻ってきたゴードンが、


「何してやがる。ヴェノムも話をしに来たんだろう?」

「すまんな。お前のとこのじゃじゃ馬が俺に噛みつこうとしたもんでな。」

「オリヴィア?」

「ちっ!わかったよ!」


 オリヴィアもドカッとソファーに座り話を聞く体勢になった。

 ゴードンも座り全員が聞く状態になってからヴェノムは口を開き、


「まずはお前達、確認だ。お前達がドンパチやってるアレックスのバカにイエローカードが出ているのは知ってるな?」


 ヴェノムが確認の為に聞くとゴードンが、

「あぁ。知っているよ。」


 そう答えるとヴェノムが頭を抱え、


「はぁ〜。なんで知ってて手を出す?お前等とうとうイカれたか?」

「イカれてるのはてめぇの方だろうが。」


 オリヴィアが挑発するがそれを聞き流し、


「イエローカードは誰が出してるかは知ってるよな?この街を仕切ってる悪党の代表達が決めてるって。」

「だから知ってるって!ゴードンは呼ばれてないけどな。」

「その日、ゴードンも誘ったが予定が合わずに不参加だったんだよ。まあそれは置いといてだ。単刀直入に言うぞ?お前等この街の悪党全員敵に回すつもりか?」


 ヴェノムは俺達を睨みそう言ってきた。

 オリヴィアが鼻で笑いながら、


「はんっ!粛清の邪魔するなら私達もやっちまうってか?やってやろう……。」

「少し黙れオリヴィア。」

「うっ!?」


 ゴードンに睨まれさすがのオリヴィアも黙る。

 ゴードンはヴェノムの方を向き、


「俺達はお前等とやり合うつもりは全くない。しかしヴェノム。俺達の仕事は知っているだろう?今回はたまたま受けた依頼がイエローカードの組織だったんだ。知ってたら受けるはずが無い。」

「だろうな。そこは俺も信じてる。会議に参加しているゴードンなら尚更な。しかし今回の件でどうしても怒っている奴がいるんだよ。」

「誰だよそいつは。」


 オリヴィアが尋ねると、


「フローリアだよ。」


 ヴェノムはそう答えた。

 その答えを聞いたゴードンは、


「ルールを破る奴は嫌いだからなあいつは。」

「まあそう言うこった。俺も顔馴染みのフローリアとお前達がやり合うのを見るのは辛いからな。」

「嘘つくんじゃねえよクソ野郎。」

「もちろん嘘だ。辛い訳ないだろうが。勝手にやれ。」

「じゃあなんで言いに来たんだよボケ。」

「そんなもん、俺の組織にも不利益な事があるからに決まっているだろうがクソガキ。」


 何やら口喧嘩しながら話し合ってる。

 すると、


 ピリリリッピリリリッ。

 ヴェノムの胸ポケットから電話の呼び出し音らしき音が聞こえる。

 その音を聞き胸ポケットから取り出したのは、携帯電話だ。

 珍しい。貴族の偉いさんしか持ってないと言われてる携帯電話が今見れるなんて。

 そう思ってる俺を他所にヴェノムが携帯電話を開くと、げっ!という顔をした。

 そして携帯を耳に当て、


「もしもし俺だ。今SG商会にいてるよ。あぁ。今から伝える所だ。なに?変われだと?なら直接電話したら……。あぁ。わかったよ!」


 ヴェノムは頭をボリボリ掻きながらゴードンに携帯を渡し、


「ほれ。お前達に電話だ。全員に聞こえるようにしてやるから話しろ。」

「もしもし、ゴードンだ。」

「ゴードンか?私が誰かわかるな?」

「あぁ。その声はフローリアだな?」


 まさかの四天王からの電話で俺とオリヴィアは固まる。

 電話越しにフローリアが、


「今回の件、私は非常に怒っている。理由はわかるな?」

「あぁ。ルールを破ったからだな?」

「その通りだ。」

「それについては謝ろう。しかし俺達にも仕事がある。」

「仕事と命、どちらが大切だ?」


 この人怖ぇ!

 電話越しなのにプレッシャーが伝わってくるようだ。


「フローリア。気付かなかった俺達が悪い。すまなかった。だが俺達もプロだ。1度受けてしまった依頼を放り出す事は信用を失う。この世界は信用が第一だからな。」

「ほぅ。それは私と事を構えてもいいと言う解釈で言いな?」

「そんなつもりで言ってないのはお前もわかるだろう。」

「依頼から手を引くつもりは無い……と?」

「残念ながらな。」


 ゴードンすげぇ!

 女帝相手に1歩も引いてない。

 10秒程沈黙状態になりフローリアの声が聞こえた。


「ならば今回だけは特例で見逃してやろう。見逃す代わりに今から言う私の命令に従え。」

「できる事ならな。」

「オリヴィア。そこにいるんだろう?」

「あぁ、いるよ。なんだい姐さん。」

「アレックスを殺し、ファミリーを壊滅させて来い。それが見逃す条件だ。」


 フローリアからとんでもない命令が出た。

 思わず俺は口を開き、


「フローリアさん。いきなりそんな無茶な。」

「その声は新人のロイドと言ったか?無茶だと?ならば私と戦争でもするか?それともアレックスファミリーを壊滅させるか。2つに1つだ。」


 これ拒否権無いやつだわ〜。

 そう思っているとオリヴィアが、


「いいぜ。やってやるよ。でも2つ目のアジトに目標がいたら私達はそっちを優先……。」

「お前達の追っている科学者のミリアとやらは、会員制の遊技場地下に囚われている。この情報があればどこから潰すか出来るだろう?」


 おっと〜。意外な所から場所が判明してしまった。


「アレックスファミリーが壊滅するまでは貴様達も一時的にイエローカードだ。無事に終われば解除してやる。」

「姐さんちょっとやり過ぎじゃねえか?」


 オリヴィアが少しイラついたように言うと、


「なんだ?昔あれだけの事をされてまだそんな反抗する勇気があるのか?それならいつでも遊んでやる。」

「ちっ!やってやるよ!クソッタレ!」

「良い報告を待っている。」


 ツーツーツー。


 電話が切れ全員がため息をつく。

 電話を受け取ったヴェノムが、


「そう言う事だ。下の者は上の者に逆らえない。これもこの街のルールの1つだな。」


 そう言い、新しいタバコに火をつけた。





本日もありがとうございました!

また明日もお楽しみください(⋆ᵕᴗᵕ⋆).+*ペコ


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