41.5 約束された勝利の件
ちょっと短めです。
ある日、そこでは昼だというのに全ての窓とカーテンを閉め切り、最低限の灯りだけをつけた状態の部屋で、老若男女問わず大勢の人が椅子に座っていた。
異様ともいえるその状況で、大人数と向かい合って座る一人の男が動いた。
「それではこれより始めたいと思います」
決して大きいわけではないがよく通る声だ。
「まずは人数ですが――」
どうやら何かしらの会議のようだが、代表と思われる男が話し始めて間もなく、ある老人が手を挙げ発言し始める。
「その件でしたらご安心を。すでにローテーションを組んでおり、最適な人数で回せるように手配を済ませております」
「さすがは翁。実に頼もしい事です。ということは派閥バランスのほうも?」
「そちらに関しても。さすがに毎日完全に均等割りとは参りませんでしたので、数日で平均となるようにさせて頂いております」
「素晴らしい。私も任命した甲斐があるというものです」
代表の男は満足そうに頷き、翁と呼ばれる男に着席を促す。
「お待ちを。一応一人当たりの時間の最終確認を取りたいのですが」
「おっと、それも大事ですね。計画ではどのくらいで?」
「およそ二十分前後くらいで組ませておりますが……」
「ふむ……。いいでしょう、それでこちらも予定を組みます」
それ以上の確認事項はないのか、翁はそのまま席に着いた。
「そうそう、今週は品物の単価を少しだけ上げて頂きたいと思います」
仄かにざわめきが起きる。これ以上は流石に、などの声も聞こえ始める。
「いえ、なにも必ずというわけではありません。ただ、この調子で行くと少々支払いの方が厳しそうでしてね。そうなると……」
それはまずい、離れて行ってしまう等々ざわめきが強くなってきた。
すると先程の翁が立ち上がり声を張り上げた。
「静粛に! ……会長、具体的にはどのくらいの金額でしょうか?」
「先程の計画の通りであれば、一人当たり銀貨一枚分上乗せで足りるはずです」
「了解しました。皆の者、聞いたな? 一人銀貨一枚を出すだけで現状を維持できるのだ。ここは彼女達の為にも条件を飲もうではないか」
翁の一喝と、今の説明に各自納得したのか、ざわめきは収まってきた。
一部で、小遣いの増額頼まないと……などという声も聞こえてはきているが。
「さて、計画の方は今の通りで。他に皆さんから報告などありますか?」
ある女性が手を挙げ発言していく。
「最近、彼女達の後をつけている者がいるという噂が――」
その後も参加者から色々な報告、提案などが出され、会議は夜まで続いていった。
「今日も夜までお疲れさまでした。それではみなさん、コンゴトモヨロシク……」
………
……
…
「ナツキちゃん達がいないのは残念だけど、フィルちゃん達も可愛いねぇ」
「ありがとです、お爺さん」
ニコニコとしながら常連のお爺さんの注文を取っていくフィル。
「それにしてもぉ、ここ最近お客さんの数が程よい割にはぁ単価が高い物頼んでもらえて助かりますねぇ」
「そうですね、少し前よりは楽になって、売上もあがって丁度いいです」
「でもぉあまりにも丁度良すぎてぇ、なにか違和感がありませんかぁ?」
ナツキとルティが休みなので二人ともそこそこに忙しいが、ちょっとした会話をするくらいには余裕があるようだ。
定期的に来店するお客、そして定期的に退店するお客。
……世の中知らないほうがいいこともある、という事なのかもしれない。
A〇B商法……(マテ




