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28 おイタが過ぎます


 授爵式は滞りなく終わった……はず。というのも緊張しすぎて全然覚えてないんだよね。

 王様が意外に若くてイケメンだったのは覚えてるけど。あ、痛い痛い!ルティさん抓るのやめて!


「最近移り気が酷くない?そもそもナツキって男に興味あったの?」


「うーん、そんなつもりはないんだけど……。あと興味っていうか、単にかっこよかったなぁって思っただけだよ」


 別に好きだの嫌いだのじゃないんだけどなぁ。機嫌直してもらう為に抱きかかえて頭を撫でていると、機嫌がよくなったのかそのまま抱き着いてきた。


「ゴホンッ!」


 あ、ネラさんいるんだった。ほんわか気分を引き締め、二人でネラさんに向き直る。


「さて、これから他の団員に紹介となります。訓練場に集まってますから向かいましょう」


 式は緊張したけど、これも緊張しちゃうかな?カフェで少人数なら相手にするけど、大勢相手にするってあんまりないからね。


 ネラさんに連れられて訓練場に。結構人数いるなぁ。五十か六十人くらい?

 まず団長の号令から始まった。さすが訓練された人達、動作が揃ってる。面倒だけど僕達もあんな風に訓練しなきゃいけないんだよね。


「それではナツキ君とルティ君は壇上に上がってくれ」


 出番みたいなので壇上へ。おお…これは壮観。そして思ったより緊張しないので一安心……でもなんか色めきだってるけどなんで?

 不思議に思ってちょっと耳を傾けてみると、やっとうちの団にも華が!だとか俺絶対アタックするぜ!だとか言ってる。え、僕達めっちゃ狙われてる?というか女性団員が男性団員に向ける視線が凄まじく冷たい。

 あと、壇が高いからってさりげなくスカート覗き込もうとしてる君、キュロットスカートといえど万全ではないんだからやめて下さい。


 やっぱ入団したの早まったかなぁ……。


 若干裾を気にしつつ自己紹介を済ませ、壇上から降りられると思ったその時だった。


「それでは交流と実力確認の為、二人と模擬戦を行いたいと思う。立候補する者はいるか?」


 団長さん何言ってくれちゃってるの。ああほら、男性団員が凄い勢いで手を挙げてるんですが。


「ではケリーとジェフ、お前達二人でタッグを組め。二対二のチーム戦で行う」


「いよぉぉぉっしゃぁぁ!」

「おいケリー!接近戦に持ち込んで寝技しかけるぞ!」


 いやいや狙いすぎだし、君達魔法士団でしょ。魔法で戦いなさい魔法で。




 なんだか場の勢いのままに模擬戦が始まった。しょうがないので準備運動をしつつルティと相談。


「どうやって相手する?」


「うーん、ヤっちゃっていいならナツキの一撃で終わるけど、それだとまずいだろうし……」


 発言が地味に物騒。実は怒っていらっしゃる?まぁ寝技発言なんかは明らかに下心丸出しだしね。


「私が牽制して、ナツキが隙を見て撃ち込む形でどう?」


「了解。もし潜り込まれたりしたらルティは引いてね」


 僕ならともかく、ルティは組み付かれたら振りほどけなさそうだしね。


「それでは両チームとも準備はできたか?」


「「はーい」」

「「おうよ!」」


「よろしい!それでは……始め!」


 開始と共に突っ込んでくるケリーとジェフ。ちょっと本気で寝技に持ち込む気!?男の欲望ここに極まれり…

 でもすかさずルティが氷柱を作り出し、爆散させる。スライム山でやったやつの小型版だね。かわりに数が十数くらいあるけど。


「うぉぉ!?《風よ、暴風となりて我が身を守れ!》」

「こんにゃろ!《氷よ、盾となりて脅威を退けん!》」


 普通なら全身に礫を浴びて倒れそうなもんだけど、さすがは魔法士団員、風で受け流したり氷の盾で凌いだりしてる。じゃあ礫の追加ってことで足元にレーザーブレスっと。


「「のぉぉおおぉ!?」」


 おー、吹っ飛んだ吹っ飛んだ。女性団員達から、やっちゃえー!なんて歓声が聞こえてくる。


「やべぇ、姫さん達、実はやり手じゃんか。もっと簡単に懐に入れると思ったんだが」


「こりゃ割と本気出さないと潜り込めないぞ」


 いつの間にか姫扱いになってるあげく、まだ寝技を諦めてないらしい。これは油断するとヤられるね。

 するとケリーとジェフの目つきが変わった。これは気を引き締めないと……っていきなりケリーがすっ飛んできた!?土煙上がってるからお互い風魔法でもぶつけ合ったのかもしれない。


「このっ!」


 ルティが咄嗟に氷の壁で進路を阻むけど、ジェフの援護ですぐさま割られる。

 まずい、僕の吐息はルティほど器用に使えない。仕方ない、こうなったら爪で叩き落とす!

 爪のサイズを最大まで大きくし、切れ味は無し。これで一メートルくらいの鈍器の完成。こいつを叩きつけて……ってあれ?


「にょあ!?」


 なんかぬるっとした感触と共に爪が地面に叩きつけられる。…いなされた?ということは……


「ようやくここまで来れたぜ。さぁ覚悟してくれよお姫さん達」


 げぇ!ケリー!このままだと危ないと判断して咄嗟に尻尾を巻き付ける。あとはこのままぶん投げて距離をとれば……ひぃぃ!?なんかぞわぞわする!?


「ウッヒョー!すっげぇすべすべ。こんな手触りの尻尾初めてだわ」


 だめだめだめ!そこ触っていいのはルティだけなんだから!ふぎぃ!気持ち悪いぃぃ!セクハラ反対!

 でも放してしまえば、それこそどこを触られるかわかったもんじゃないので、迂闊に放せない。気持ち悪さを耐えつつどうするか考えていると、なんか周りがえらく静かで空気が冷たいことに気付いた。


 横を見てみるとそこには薄っすら微笑んでいるのに、まったく温度を感じさせないルティが……。


「ちょぉぉぉぉっといたずらが過ぎるんじゃありませんかね?セ・ン・パ・イ?」


 そしてケリーが何か言う前に辺りが吹き飛んだ。




ネタはまだあるのにうまく書けない……うごご……

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