表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/61

26 迅速な対応


 どたばたしながらもなんとか閉店の時間になった。いやー、戻ってきた時には食器は山になってるし、注文はスタックしてるし凄かった。さすがにクレームが出るかと思ったけどそんな事はなく、それどころかお客さん全員慈愛の眼差しで僕達を見ていた気がする。


「とりあえず説明する前に休憩しましょうか」


 ルティがそう言いながらお茶を入れてくれる。みんな着替えてテーブルに着いているけど、ぐったりしてるから確かにお茶でも飲んだほうがいいね。


「ふぅー、ようやく休めた気がするです」


「さすがにぃ、二人抜けはきつかったですよぉ」


「ごめんごめん、急に呼び出されちゃったからさ」


「二人だけの時だったら依頼主権限で断ったかもしれないけど、今はフィルちゃんもチルちゃんもいるからね。今回は仕方なかったかな」


 だるーっとしばらく一服。………いけない、寝そう。チルなんか舟漕ぎ始めた。


「チル起きて。…ん、それじゃざっくりと説明するね」


 騎士団ではなく魔法士団というところに呼ばれ勧誘された事。断ったけどしつこかったので吹っ掛けたら要求が通っちゃって契約してきた事を、時々チルを起こしながら話した。

 魔法士団はリーズナーさんは一応知ってた。ただやっぱり騎士団と同じようなものくらいの認識で、詳しくは知らなかったみたいだけど。


「本当に必要な時だけって条件だからそんなに呼ばれないと思うけど、呼ばれたときは行かなきゃいけないから、その時はごめん、今日みたいに抜けたりお休みしたりするね」


「今のところ予定で入っちゃってるのは、授爵の時と説明の時だけかしらね」


「お姉様貴族になっちゃうんですかぁ?」


「んー、騎士用の一番下のやつだと思うから、多分今とほとんど変わらないわよ」


「とは言ってもなんだかちょっと遠い人になった気がしちゃうですよ」


「えー、そんなこと言わないでよ。たまに別の仕事をするだけで生活変わるわけじゃないんだからさ」


「呼び出される頻度とタイミングがわからないから、私としてはやりづらいところではあるんだけど……。まぁちょっと様子を見ようか。

さて、そろそろいい時間だし、明日も仕事だ。今日の所は解散としよう」


 リーズナーさんのその言葉でその日は解散となった。さすがに疲れたので明日の仕事がちょっと憂鬱……。






「んぁー……」


 気だるい体をベッドから起こす。やっぱり疲れ取りきれなかったぽいなぁ。

 横にいるルティも、あぁ…涎が……。涎を拭いてあげると、むにむに言って寝返りをうった。ああ、もう可愛い。

 うーん、最近ベッド一つしか使ってないから部屋変えようかな。その分広くなるわけだし。よし、今晩にでも替えとこう。


「んぅ…」


 そんなことを思ってたらルティも起きてきた。

 そして半分寝ぼけながらも僕に抱き着こうとして涎に気付いた。


「ぁ、ちょっと、やだ。……見た?」


「可愛かったよ?」


 真っ赤になっちゃってまぁ。このまま抱きしめて二度寝といきたいけど、そろそろ時間。残念だけど用意をしよう。



「あ、チョロインにフィルおはよう」


「おう、おはようってなんだそりゃ」


「おはようです」


 食堂で朝食を取ろうとしたら久しぶりにカインに会った。


「チョロすぎるカイン、略してチョロイン」


「なんで俺がチョロいってことになってんだよ」


「まぁこの評価は覆らないから諦めて、どうぞ。それより最近見なかったけどどしたの?」


「諦めてって……はぁ。そんで最近見なかった理由?仕事だ仕事」


 今は早朝からの荷運びをやってるらしい。今日は偶々休みだとか。


「割とよさげな仕事なの?」


「まぁそこそこ、かな。やっぱ狩猟系が一番性には合ってるから、それと比べちまうとちょっとな」


「私はもしかしたら今の仕事のほうが合ってるかもです。忙しいですけどその他は文句ないですから」


 さりげなくフィルからの牽制。悪いけれどカインには狩猟は諦めてもらったほうがいいね。


「それじゃどうせだしフィルも一緒にお店に行きましょうか」


「カインも暇だったらお店に来てねー」


 朝食も取り終わり、時間も迫ってきたのでカインを置いてお店に向かうことにした。




「……で、なんでネラさんがお店の前にいるんでしょうか?」


 お店まで来たら、入口の前でネラさんが直立不動で待っていた。


「授爵と説明、というより主に他の団員への紹介の日時が決まったのでご連絡です」


 昨日の今日なんですが、早すぎませんかね。

 とりあえず日時を聞いてリーズナーさんに調整してもらわないと。


「それとちょっとお時間頂いてよろしいですか?制服用の採寸をしたいので」


 え、制服あるの?ネラさんは制服じゃないっぽいんだけど……。

 そんな僕の視線に気づいたのかネラさんから答えてくれた。


「ナツキさん達の入団を機に、魔法士団でも制服を採用するということになりまして。私達も昨日、急遽採寸させられたんですよ」


 なぜ僕達の入団が契機になるのか、これがわからない。


「なんにせよ、とりあえず中に入りましょうか。ここじゃ採寸も何も出来ませんから」


 勢いで入っちゃった魔法士団だけど、大丈夫かなこの団……。




TS話で盛り上がってるツイートを見かけて私もツイッター垢作ろうかと思ったんですが……



どうやったらその輪に入れるかがわからない(コミュ障)

_(:3」∠)_

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ