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尻尾のある生活 作者:ばんくる
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22 開店


 今日は定休日。以前約束していた服屋に行く日となった。

「んふふ、楽しみだなー」

「久しぶりだものね。私も楽しみだわ」

「きっと気に入ると思いますよぉ」

「私も一緒してよかったのですか?」

 定休日なのでもちろんフィルも休み。どうせだから一緒に行こうと誘った。

「もちろん。可愛いの買ってカインに見せつけてやらないと駄目だよ?」

 ニマニマしながら揶揄う。薄っすら赤くなってまぁ可愛い事。

「あら、ナツキは私に見せつけてくれないの?」

 腕に絡みつきながら甘えたように言ってくる。

「それならルティも僕に見せつけてくれないと」

「いいわよ?それじゃ今日は頑張って選ばないと」

 二人そっちのけでイチャイチャし始める。最近時間なかったからね、仕方ないね。

「お二人はぁ、お付き合いされてるんですかぁ?」

「うん。あれ?言ってなかったっけ?」

「聞いてないですよぉ。むー、ルティお姉様(・・・・)ちょっと狙ってたのにぃ」

「え!?だ、駄目!ルティは僕のだから!」

 ルティの首に抱き着いて自分のアピールをする。というかお姉様って……。
 でも、チルみたいな子にお姉様とか言われたら、ぐらっときちゃうんじゃないかな。

 ちなみにこの国、同性同士は割と普通らしい。でも教会は認めてないから、結婚式とか挙げられなくて事実婚になっちゃうみたいだけど。

「……まさか満更でもなかったりしないよね?」

「んー、どうかしんぅ!」

 言い終わる前にキスで唇を塞ぐ。周りに見せつけるように離さない。

「ん…んぅ……」

「ん……んふぁっ、ちょっとナツキ、みんな見てるわよ」

「いいの。だって見せつけてるんだもの」

 むふふ、と笑いながらそう返す。そもそも、そう言ってるルティだって嬉しそうにしてる癖に。

「はいはい、その辺にしてそろそろ行くですよ」

「ナツキさんもぉ、お姉様もぉ、置いていきますよぉ」

「「はーい」」

 呆れながら二人が先行し始めたので慌ててついていった。




「「「んんん……?」」」

「どうしたんですかぁ?」

 チルの案内で新規オープンしたお店の前まで来た。けど三人で看板を見て止まる。そこに書いてあるお店の名前はプティベール。これって……

「ザンブルにあるプティベール…だよね?」

「ですねぇ。王都に支店出したってことですかね」

「ザンブルにもあるんですかぁ?」

「うん、ザンブルでよくお世話になったよ。あそこと同じなら品揃えはいいだろうね」

「もしかしたら知ってる店員さんがいるかもしれないわね。とりあえず中入ってみましょ」

 プティベールならいいのが揃ってるだろうなぁ。他のお店がダメダメすぎるから、もしかしたら王都一の服飾店になっちゃうかも。




「いらっしゃいませ!王都で一番の服飾店、プティベールへようこそ!」

 なんかデジャヴ。そりゃそうだ、そこにいたのはザンブルで色々(・・)お世話になったトリシャさんだもの。もう一番名乗ってるのがトリシャさんらしいね。

「あら?ナツキさん達じゃないですか!フィルまでいるし」

「お久しぶりですトリシャさん。って、フィルと知り合いなんですか?」

「ええ、ほら以前、毎月死にそうになってる友達がいるって言ったじゃないですか。あれがフィルですよ」

 ああ、そういう。世間て狭いなー。

「?どういうことです?」

「いえ、以前ナツキさんが月のもので大分具合が悪そうだったので、フィルの対処法を教えてあげ…いだぁ!」

 思いっきり頭叩かれてる。そりゃねぇ……。毎月重いんですって公言されたようなもんだし。というか僕も叩いていいかな、これ。

「まったく、トリシャはいつもこうなのです。普段優秀な癖に変なとこで抜けてるというか……。ところでトリシャは王都に転勤ですか?それともヘルプ?」

「へへーん、実はこの王都支店の店長として転勤してきたんですよ!」

「あら、栄転じゃないの。おめでとう」

「てへへ、ありがとうございます」

 おー、僕は今も昔もそういうの縁がないから素直に凄いなぁと思う。

「あのぅ、みなさんお知り合いなんですかぁ?」

 あ、チルが置いてけぼりになってた。

「ええ。私とトリシャは友達なのです」

「僕達はザンブルに居るときに、お店で採寸(・・)してもらったりしたことが切っ掛けで知り合いになったんだよ」

 意地悪くニヤっとしながら言うと、トリシャさんがちょっと顔を引き攣らせた。

「ほえー。世間て狭いですねぇ。あ、私チルセットと言いますぅ」

「トリシャと言います。チルセットさんですね。この間はお買い上げありがとうございます」

 おお、覚えてるんだ。さすが普段は優秀なトリシャさん。

「チルでいいですよぉ。ここは可愛い服が多いのでぇ、お気に入りなのですぅ」

「そうそう、チルがいいお店出来たっていうから来てみたら、プティベールなんだもの。驚いたわ」

「ふふ、そう言ってもらえると嬉しいですね。ちょっとだけならサービス出来ますから、たくさん買っていってくださいね」

 サービスするなんて言ったもんだから、この間買ったばかりのチルまで目の色変えちゃった。まぁ僕も俄然買う気になったけどね。


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