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16 気分転換


 四人で手近なお店まで移動した。もう秋に入る頃合いなのでみんな温かい料理や冷たい料理など思い思いに注文していく。


「そう言えばしばらく兎肉の料理食べてないなぁ」


 流通があるとはいえ、王都では基本的に獲物が取れないので、肉といえば畜産できる鶏や豚がメインだ。これはこれで美味しいけど、森で食べた歯ごたえのある兎肉がふと恋しくなった。


「そのうちナツキの家にも戻ろうかしらね。結構快適に出来てたし」


「頑張ったからねっ」


 フン!と鼻を鳴らしながら胸を張る。


「まぁた二人の世界に入りかけてやがる…。というか付き合ってたのか、お前達」


「ふへへ…」

「ぬふふ…」


 そう言われたらついニヤニヤして、二人して変な声が出た。


「聞いた俺が馬鹿だったよ…」


 カインが天を仰ぎながら呆れている。まったく失敬な。


「で、王都にいる理由だっけか」


「うん、二人ともザンブルで仕事してなかったっけ?」


「それを言うならお前達も同じだろうが。いつの間にかこっち来てやがって。

んでさっきもちょっと言ったが、依頼でここまで来たんだよ」


「街を跨ぐ依頼なんてあるんだ?護衛とか?」


「いや、護衛は余程じゃなきゃ依頼としてでないな。あっても競争激しくて早々受けらんねぇし」


 会話の合間に、料理と一緒に注文してあったエールをぐいっと飲んでいる。美味しそう……。


 飲酒制限はこの国ないみたいだから飲もうと思えば飲めるけど、今日のルティを見た感じだとちょっと危ない気がする。色々と。


「ちょっと脱線しちまったな。結局受けた依頼ってのは国が出してるやつでな、ここから北の山にスライムが大量発生したってんで、それを駆除してくれって話だ」


「国が出した依頼なので、王都はもちろんザンブルなどにも通知が来たわけなのです」


 スライムかぁ。お店も休みになっちゃったし、まだ受けられるなら受けて鬱憤晴らしでもしようかな。


「その依頼ってまだ受けられるのかな?」


「集合して駆除しに行く形だからまだ間に合うんじゃねぇかな?明後日の集合だし」


「ナツキさん達が来てくれるなら安心なのですよ。一緒に行きましょうです」


 フィルもこう言ってくれてるし、早速明日組合に…。


「でもナツキ、お店の修理って一週間くらいじゃなかったかしら?間に合う?」


 しまった。往復の時間を考えてなかった。山までどのくらいかかるんだろう?


「あー、北の山って言ってたけどどのくらいかかる依頼なの?」


「大体片道五日の場所だったな。道程だけで往復十日、駆除の時間も考えると間に合うわけがないな」


 うーん、ダメ元でリーズナーさんにお願いしてみようかな…。久しぶりの駆除依頼だからなぁ。行きたい気持ちが強い。


「安心してナツキ、いざとなったら私がもうちょっと時間かかるように壊してくるから」


 爽やか笑顔でそう宣うルティモさんぇ…。これはちょっと後でお話ししないといけないですね。どうしてこうなった。


「絶対やめてね?ルティが捕まるのは嫌だよ?

とりあえず明日リーズナーさん…あ、カフェのオーナー、に話して、大丈夫そうならそのまま組合行って受けてくるよ」


「おう、人数で報酬が減る依頼じゃねぇから参加できるなら参加してくれ」


「それじゃあ参加の方向で決まったですし、この話はここまでで。

今度はこっちから聞きたいですけど、お二人はなんで王都に来たのですか?ザンブルでもお仕事不自由してなかったですよね?」


 僕とルティが止まる。でも汗は止まらない。忘れてたよ、そりゃ聞かれるよね…。


「そ、それはですね…」




 誤魔化そうとも思ったけど、結局耐えられなくて全て話した。でも話しても話さなくても胃が痛いぃぃ!


「なんともまぁ…。言いたいことがないわけじゃないが、まぁしょうがないんじゃねぇか?

故意じゃねぇってんだし、二人が頑張ったから被害も出てないわけだしな」


「でも、そうするとあの痕跡はお二人が付けたものってことですよね?何やったらあんな跡が残るんですか…」


「いや、二人で特訓なんて称して遊んだらああなっちゃった」


 あ、呆れられてる。しょうがないじゃない、テンション高くてついやっちゃったんだもの。


「どうやったら遊びであんなんなるんだよ…。でもそんくらいじゃないとトロール一撃とか出来ないか」


「あの時は一瞬何が起きたかわからなかったですよ。何か飛んできたと思ったら、次の瞬間にはトロールが倒れてるんですもん」


「でも、そんな二人がスライム退治に来てくれるなら百人力だな」


「ん、さっきも気になったんだけど、国が依頼出すほどスライム被害は酷いの?」


 スライムと言ったらゴブリンよりも弱い魔物の代表格だ。弱すぎて普通、依頼として出されないと聞いたことがある。


「被害はまだそれほどでもないみたいなんだがな、数が凄いらしい。なんでも見渡す限り、絨毯の如く湧いてるとか。んで被害が拡大する前に大動員をかけて駆除って事みたいだ」


「鉱山もあるので、そちらに被害が及ぶ前に片を付けたいって思惑もあるみたいです」


 なるほど、確か鉱山はアリスト王国の主要収入源の一つだ。だからここまで大盤振る舞いなわけか。うーん、思いっきりやれそうだし、なんとかしてリーズナーさんに納得してもらわないと。




総PV1万いきましたヽ( ´¬`)ノ

ありがとうございます!


ノープロットノータリン一直線な拙作ですが、気に入って頂けたら評価ブクマ等お願いします。

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