13.5 独白
本日も17時と20時投稿となります。
宜しくお願い致します。
ナツキの事が気になり始めたのはいつからだろう。始まりは恐らく大分前だと思う。
ザンブルで暮らし始めてから?…違う。じゃあ、一緒に街を目指して旅をしているとき?…それも違う。
それよりもうちょっと前。そうだ、私がナツキに助けてもらって数日一緒に暮らしていた時からだ。
あの時最初は何かと思った。目を開けたら綺麗な子が傍にいて、しかも裸。思わず裸族なんて言ってしまった。
名乗った後、僕は元々男で別の世界から来たなんて言い始めて、正直何を言ってるんだろうと思ったりもした。でも、誰でも知っていることを知らなかったり、仕草なんかで少しずつ本当なんだな、とわかっていったけれど。
助けてもらっておいてそんなことを思っている私を、ナツキは世話してくれた。嫌な顔せずに。それどころか楽しそうにしていた。魔法を教えてあげるなんて言ったときは本当にニコニコしてたっけ。
住んでいた街はまだ他に比べて差別が強くなかったけれど、それでも友達はいなかったし、笑いかけてくれる人ももちろんいなかった。
ナツキ自身が竜人だし、別の世界から来たからっていうのもあるだろうけど、ナツキは私の角や翼を見ても普通に……いえ、それ以上に親しく接してくれた。そしてあんな笑顔を向けてくれたから惹かれたのだと思う。
そしてあの日の夜。私の中に潜んでいた感情は明確に、そして思っていなかった方向で表に出てきた。
ナツキの声を聞き、私の体が感化された時、頭に浮かぶのはナツキの事ばかり。
ナツキの声が可愛い、愛おしいそう思えて仕方ない。抱きしめたい衝動にも駆られた。
そして終わって微睡んでいる時、その感情がどういうものか理解し、自覚した。
ああ、私はナツキが好きで好きで仕方ないのだと。