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12.5 本当の秘密

あけましておめでとうございます。

本日は17時と20時で二話投稿致します。


何事もなければ。


 月のものが終わってちょっと経ったある日。僕は懐かしい感覚に囚われていた。


 男の時はよくあった感覚だけど、この世界に来て性別が変わってからは初めてだ。

 そういえば女性はホルモンバランスが云々とか聞いたことがあるけど、その辺の関係なのかな…

 暫く放っておけば落ち着くかなと思っていたけど、宿に戻り夕食をとっても落ち着かなかった。それどころかお風呂に入ったら、体を洗うときに触ったせいか余計に落ち着かなくなった。


(うぅ…なんとかしたいけど、ルティもいるしなぁ…)


 そんな事を考えながらベッドでもぞもぞしていると、ルティの寝息が聞こえてきた。


(今なら…大丈夫かな?)


 そう考えたらもうすでに手がそこに伸びていた。


「ん…っ!」


 そこに触れた時、危うく声が出そうになる。


(あ、駄目…とまらない…!)


 逆の手がもう少し自己主張して欲しい丘陵の天辺に伸びる。


「ん……ふぁ…!」


 声を出すとルティが起きてしまうかもしれないのに、どうしても我慢が出来ず漏れ出てしまう。

 次第に汗でないもので指が湿り、指を動かす速度も上がっていく。





「~~っ!」


 例えようのない感覚が訪れ、深い充足感の中、僕は寝てしまった。





◇◆◇





 ある日の深夜、物音と声で()は目を覚ました。


(ナツキ……?)


 最初うなされているのかとも思ったけど、ごそごそと音もするし様子が違う。


「ん……ふぁ…!」


 不審に思っていると、ナツキの口から艶のある声が漏れる。


「……っ!(ちょっと何してるのよ!?)」


 物音の原因に気付いた私は思わず声を上げそうになる。

 突然の事にしばらくやきもきしていると、ナツキが押し殺したような声を発し、しばらくして寝息をたて始めた。


(終わった…みたいね)


 ほっとしてまた眠りにつこうとしたとき、それ(・・)に気付いてしまった。


(!?え、うそ!?)


 下着が湿っている。

 それに気づいたときナツキの声(・・・・・)が思い出され、思わず手が伸びてしまった。


「ぁ……っ!」


 駄目!と思っても手は止まらない。

 結局最後まで止まらず、ふわふわとした感覚の中眠りについたのだった。




◇◆◇




 朝が来た。ナツキは伸びをして起き上がる。すっきりしたのか、気持ちよく起きられたようだ。


「おはようルティ」


 続いて起きてきたルティに声をかける。


「……おはよう。ナツキ」


 こちらは若干歯切れが悪い。顔もうっすら赤いようだ。


「?風邪でもひいた?」


「大丈夫、なんでもないわ」


 ナツキが心配した様子で声をかけるが、ルティはそう答え「…ナツキの馬鹿」と小声で呟いたのだった。

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