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ハートブレイカー  作者: 機乃 遙
ハートブレイカー 第二部
6/13

 一九六四年八月。ウェールズの片田舎に一人の少年が生まれた。鉄工所に勤めるユダヤ系移民の男性ジョエル・カッツと、その妻ナタリーの間に生まれた彼は、イーライと名付けられた。ユダヤにおける祭司(イーライ)の名を持つ少年は、夫婦にとってユダヤの教えが生活の根幹にあることを示していた。しかし、少年が彼らの思惑に反して、自らの出自を恥じていくことになるとは、このときの彼らは思いもしなかった。

 イーライ・カッツは、移民三世ということになる。彼の祖父は労働力として大英帝国にやってきたユダヤ人であり、鉄工所で働いていた。そして彼は許嫁の娘と結婚し、三男二女をもうけた。そのときの長男が、ジョエル・カッツ。イーライの父だった。以来、カッツ家はイギリスに住み着き、鉄工所の職人として奉仕を続けることになった。毎週安息日にはシナゴーグに行き、礼拝をする敬虔でまじめな一家。それがカッツ家だった。

 しかし、子供たちの純粋な目には、そうは写らなかったのだろう。

 子供は残酷だ。純粋すぎるがゆえに、彼らの暴力は時として狂人のそれにも勝る。その暴力性が、排他的な文化が、少年にルーツを嫌悪させるようにした。子供の差別は、時としてナチスドイツよりも陰険であったかもしれない。

 イーライが小学校に入ったとき、クラスのガキ大将に言われた。

「おまえの家族、しゃべりかた変だよな。おまえの名前だって変だし。エリってなんだよ」

 エリ。それは、ユダヤでの読み方だった。イーライの両親は強いイディッシュ訛りの英語を話す。エリという呼び方もその一つだ。

 イーライ――Eli――元は預言者の名前であり、イスラエルにおいてはありふれた名前。しかし、この国では違った。

 そんな一言に始まって、イーライを糾弾する声は止まらなくなった。特にジョエルとナタリーは、自分たちの母国の文化を大切にする人間であったから、まわりの英国人と違うことをやっていようが気にしなかった。だから、イーライを差別する材料には事欠かなかった。なのに両親はそんなことなどつゆ知らず。ユダヤ文化こそが自分たちのアイデンティティであるのだ、と言い聞かせて聞かなかった。

 そのうちイーライは、両親の教えと学校での現実の間で懊悩し始めた。両親の言うことを聞くと、学校では「おまえは俺たちとは違う」と差別をされる。しかし、両親の文化に反発しようとしても、「おまえをそんな子に育てるつもりはない」と叱りつけられるだけだった。

 イーライは、そんな二重の束縛のなかで、自分というものを見失い始めた。自分のアイデンティティ。個としてのよりどころを見失い、わたしとは何であるかたらしめるそれを奪われていることに気づいた。しかし、後に彼は知ることになる。奪われたことこそが、自分のアイデンティティになるのだと。


 それは、七五年のある朝のことだった。いつものように朝食を食べ、家の近くのバス停から学校行きのバスに飛び乗る。それがいつものルーティン・ワークだった。

 バスという閉鎖空間においては、どの国でも暗黙の了解というものが存在する。その最たる例として、モンゴメリーのバス・ボイコットがあったように。アメリカでは黒人だったが、英国では、白人と移民という対立構造だった。

 そこかしこにガムや吸い殻の捨てられたバス車内。その一階は、白人の子供たちで占領されている。移民は二階に座ることがこの社会でのしきたりだった。

 イーライも例に漏れず、毎朝二階への階段を登って、ガラガラの汚い座席に座り込んだ。前の席の背もたれにはチューインガムがへばりついていて、とれなくなっていた。

 二階には先客がいた。マルカムというカリブ系の少年だった。すなわち、黒人である。マルカムは、イーライにとって唯一の友人にあたる人物だった。というよりも、彼だけが同じ人間としてイーライを扱ってくれた。なぜなら、彼も虐げられる側の人間であるからだ。

 イーライは、進んでマルカムと友人になったわけではない。内向的な彼を、マルカムが持ち前の陽気さで取り込んだというところだろう。この日もそうだった。

 はじめにバスに乗り込んでいたマルカムは、ちょうどイーライの後ろに座っていた。彼は鞄を片手に身を乗り出して、イーライに「よう」と声をかけた。

「朝から辛気くせえなぁ、エリは」

「エリって呼ぶな。じゃなきゃ僕も君をニガって呼ぶぞ」

「おっと、それはなしだぜ、兄弟」

 マルカムは肩をすくめ、唇をとがらせた。

 彼はいつも朝から元気が良い。悪く言えば虚勢を張っていると言えるが、イーライにはもうそのような力も無かった。両親と学校社会との板挟みの間で、ストレスを感じるだけだ。だからバスの中でも静かに目を伏せて、ため息をつくだけだった。

 しばらくして、バスが停車した。ブレーキの効き具合から、ラウンドアバウトで停まったのではなく、バス停であるとわかった。

 ドタドタと階段を上がる足音。イーライは半目を開けて、二階にあがってくる者たちを見た。黒人の少年が数人やってきた。マルカムは彼らと軽い挨拶を交わす。それから、近くの座席に着いた。別にいつものことだった。

 しかし、少年たちが一通り席についたころになって、誰かがまた階段を上がってきたのだ。イーライは、「このバス停で他に乗り込んで来る奴いたか?」と疑問に思いながら、目を開けた。

 乗り込んできたのは、白人の少女だった。ブロンド髪の、線の細い少女だ。肩まで伸びた髪をゆらりと舞わせて、少女はイーライの向かいの席に座った。

 その瞬間、イーライは体験したこともない感覚を覚えた。

「ひゅーっ、ヴィヴィアン・マーフィーだよ」

 と、後ろの席のマルカム。彼が言ったとき、ちょうどバスが動き出した。

「マーフィー?」イーライは小声で返す。

「そう。最近転校してきたばっか。彼女、アイリッシュでカソリックらしいよ」

「アイリッシュ……」

「そうそう。だからこっち側」

 そう言って、マルカムはヴィヴィアンに向かって微笑んだ。

 ヴィヴィアンは一瞬だけ振り向いたが、しかしマルカムには興味なしというように、すぐさま居直った。

 少しだけ気を落とすマルカム。確かに、ヴィヴィアンはきれいだった。

「黒人だとこうだよ、くそったれ。でも、おまえならいけるかもな、エリ」

「だからそう呼ぶなって。……僕ならって?」

「ほら、ガールフレンドだよ。ガールフレンド」

 まくし立てるように言うマルカム。

 イーライは、ため息一つ。あきれたような態度をとった。しかし、その実彼がヴィヴィアンに惹かれていたことは違いない。

 ヴィヴィアンは、座席に座ると、目を閉じて静かに黙っていた。ただ膝の上においた指をトントンとリズムを刻むように叩いて。彼女は、まるでこことは違う世界に行ってしまったようだった。

 だから、ただでさえ内向的なイーライには、声さえかけることもできなかった。


 昼休み。学校に居場所がないイーライは、いつも中庭の隅で昼食を取っていた。母親が作ってくれたお弁当は、なんら彼女らの国民性の感じられないただのサンドイッチだった。

 イーライはそのハムサンドを食べながら、ぼんやりと今朝のことを考えていた。ヴィヴィアン・マーフィーのことだ。アイルランド系カソリックの家に生まれたという転校生の彼女は、転校早々生徒から邪険にされているように見えた。自分と同じように。やはりこの学校という社会には、そのような気風があるのだ。当時子供だったイーライにもそれははっきりとわかった。少数者は淘汰される。それが社会だ。

 そうして昼食を終えると、イーライはいつも人目の付かない学校裏を散歩した。散歩、というよりは休み時間が終わるまでに暇つぶしだった。マルカムはほかの黒人の子供たちとバスケットボールをしているし、イーライにはほかに遊んでくれる友人もいない。できることと言えば、ただブラブラとすることだけだった。

 そうして校舎裏を歩いていると、思わぬ人物と遭遇した。

 ヴィヴィアン・マーフィー。今朝バスに乗ってきた彼女が、校舎裏の廃材置き場で何かをしていたのだ。

 そのとき、イーライは運命を感じていた。これが初めての恋愛感情であると自認するのは、遙かにあとの話だが、それでもいま事を起こさなければならないとは、当時の彼でもわかった。

「あの!」と声をかける。ヴィヴィアンが振り返った。「なに、しているの……?」

「ラジオ直してるの」

 ヴィヴィアンはドライバー片手に、なにやら鈍色の機械をいじりまわす。やがて最後のネジをとめると、彼女は電源を押し、ボリュームをあげた。

 電波をチューニング。お昼の番組が流れてきた。

「……以上、現在の交通情報でした。さて、この時間はトニー・エヴァレットがお送りしています。さて次はこの曲。クイーンで『ボヘミアン・ラプソディ』」

 それから、静かなピアノのイントロが始まった。

 ヴィヴィアンは、その曲に聞き入っていた。目を閉じ、静かに耳を傾ける。手は膝において、ビートを刻むように太股を叩く。

「私、この曲好きなの。でもウチのラジオ壊れちゃって。そしたら、学校のゴミ捨て場にいろいろあったから、それで直せるかなって。私のお父さん、機械工なの。だからいろいろ教えてもらったの」

「へぇ……。僕も好きだよ、これ」

 イーライは、彼女と話を合わせるように口を走らせた。だが、それは間違っていなかった。

 イーライ自身、彼らの歌にシンパシーのようなものを感じていた。英国保護区のインド出身だというシンガー。その男性が歌う歌詞に、イーライはどこか共感を覚えていた。

『時々思うんだ、生まれてこなければ良かったんだって……』

 フレディ・マーキュリーが、そう高らかに歌い上げた。

 イーライは、ヴィヴィアンと一緒にいることと、彼女も自分と同じだということに気づき、胸が高鳴っていた。

「ねえ、マーフィーさんって音楽とか好きなんだ?」

「ヴィヴでいいよ。……好きよ。特に彼の歌、まるで私みたいな仲間外しにされてる子でも、ここにいていいんだよって言ってくれてるみたいで。なんか、いい気持ちになる。デヴィッド・ボウイとかもそれに近いけど」

「わかるよ。僕も、ずっとそういうことを経験してきたから……。僕のこともエリって呼んで」

「エリ?」

「そう。父さんや母さんはそう呼ぶんだ。英語ならイーライなんだけどさ」

「でもいい名前よ、エリ。私は好き」

 ヴィヴはそう言って、エリに微笑んだ。

 その笑顔を、イーライは忘れない。胸の内に初めておきたときめきを。

「ねえ、エリ。私たち友達にならない?」

「いいよ。明日もここにいる?」

「うん。ほかにも直したいものがあるんだ」

「じゃあ、また明日ここで」

「うん」

 そうして、イーライとヴィヴィアンは握手を交わした。それが二人の友情の始まりであり、イーライにとっての悲劇の始まりでもあった。


 その日以来、イーライとヴィヴィアンは放課後によく遊ぶようになった。ヴィヴィアンの家は郊外にあるアパートで、両親は共働きのため滅多に帰ってこなかった。だから学校が終わると二人で彼女の家にいって、ラジオやレコードを聴いたりして過ごした。それがイーライにとって初めての青春であり、最後の青春だった。

 それから二人は学費が安いからという理由だけで、同じプロテスタントの学校に投げ入れられた。

 中学での生活は、やはり今までと変わらなかった。『ユダ公』。中学に行っても、イーライはそう呼ばれたし、ヴィヴィアンもカソリックの生まれというだけでプロテスタントの家からは邪険に見られていた。親の都合でそう生まれただけで、自分は何も思っていないのに。

 二人はその板挟みの状況から逃れるために、お互いにお互いのアウターへヴンを探した。そして、二人の依存関係が続いていった。

 しかし、七九年のある日のこと。状況は一変したのだ。


 一九七九年九月。その日、二人はいつものように学校を終えると、バスに乗ってヴィヴィアンの家にまで戻ってきた。それから二人でお菓子や紅茶を飲みながら、音楽を聴いた。もちろん、キスやセックスをする日もあったが、この日はそうではなかった。イーライはヴィヴィアンの唇を求めたが、この日だけは拒絶されたのだ。

「ごめん、エリ……。ねえ、もうやめにしない。こんなこと」

 突然、ヴィヴィアンはそう言った。まさかの言葉に、イーライは凍り付いた。

「ど、どういうこと? ヴィヴ、おれ何か悪いことしたか?」

「いいや」

「じゃあ、なんで?」

 イーライは彼女の肩を激しく揺すり、問いただした。

 自分のより所が――唯一無二のアイデンティティが揺らぎ始めているのを、彼は感じ取っていた。風前の灯火のように、自分が愛する、自分を愛してくれるものが消えかかっている。それは、自分が消えるのと同じことだった。

「お父さんにバレたのよ。おまえ、ユダヤの子と付き合ってるんだろって。昨日、言われたの。私必死に否定したわ。だけど、嘘をつくなって。もうバレてるんだって……。それで、ユダヤの子なんかと付き合うなって。そうしたら、ウチが変な目で見られるから……」

「まさか……」

「仕方ないじゃない……私だってエリと一緒にいたいけど……」

 ヴィヴィアンはそう言って涙ぐみ、クッションに顔を突っ伏した。泣いている顔だけはどうしても見せたくないようだった。

 イーライは呆然としていた。

 彼自身、自分が迫害されていることには薄々感づいてきていた。英国とイスラエルの関係は、良好というより完全に悪化の一途を辿っている。その一方で、イーライの両親は未だ故郷への未練を断ち切れずにいる。妙な目で見られるのは仕方のないことだったのだ。

「近所の人とかにウワサされてるんですって……敵国の豚と付き合ってるのかって……」

「敵国って……? なんでそんな……!」

「イーライ。もう私たち、これで終わりにしましょう。私は、この国の人でいたいの。あなたの家族とは違う」

「違わない! 僕は、あんな親とは違う。僕にとっては、あの国のことなんて――」

「それでも、あなたも私も、生まれは変わりっこないのよ!」

 ヴィヴィアンがそうピシャリと言いつけたとき、イーライの背に冷たいものが走った。

 今まで好きだった女の子。それに否定されただけではない。自分のすべてが否定されたみたいだった。

「ごめんね、イーライ。でもね、私、みんなと一緒でいたい。ごめんね」

 ヴィヴィアンは泣きじゃくり、部屋を出ていった。彼女の私室の方へ。イーライには追いかけることもできず、ただそこに呆然とするばかりだった。

 自分は、何もかも失ってしまったのか?

 最初で最後の失恋。それはこのような形で訪れた。


 それからカッツ家には、暗雲ばかりが立ちこめた。中東情勢が悪化するにつれて、カッツ家への風当たりは強くなった。敵国の人間だとか、もしかしたらスパイかもしれないなど。根も葉もないウワサばかりが一人歩きし始め、ウェールズの片田舎でもユダヤ排斥の運動が始まった。その機運は、かつてのナチス・ドイツほどのダイナミズムは持ち合わせていなかったものの、静かに、陰湿に動いていた。

 そのうち決定打となったのは、七九年九月二十二日の出来事だった。アメリカの偵察衛星ヴェラ6911が、南アフリカ近海のプリンス・エドワード諸島沖で二重の閃光を確認したのだ。このことは、南アとイスラエルの共謀による核開発実験であると大々的に報道された。やがてイスラエルは、国際世論から糾弾され、また関係のないユダヤ移民までもがその的にされた。

 カッツ家には石が投げ込まれ、落書きがされ、窓ガラスが割られた。移民は国に帰れ、という言葉とともに。

 そうして近隣住民からも完全に見捨てられた一九七九年、十月のはじめに事件は起きた。

 イーライの両親、ジョエルとナタリーが殺されたのである。


 死体が発見されたのは、七九年十月四日。その夜のことだった。

 ヴィヴィアンからの拒絶によって、もはや生きる糧を見失ったイーライは、家に帰ることさえも億劫になっていた。彼は両親と社会を憎んだ。もしこの家に生まれていなかったら……自分はヴィヴを失わなくて済んだ。だが、もし自分がこの家に生まれていなかったら、ヴィヴと会えなかった。だったら、この社会が。ありもしない理由で弱者を痛めつけるこの社会が悪い。彼は学校にも行かず、家にも帰らず、ただ街を歩き続けた。憎らしいこの街を。

 しかし、十四の少年にも限界はあった。ウェールズは寒い。十月のひんやりとした空気のなか、なけなしの小遣いを片手に暮らすことはできない。一週間ほど経ったある晩のこと、イーライは自宅に戻ってきた。

 異変に気づいたのは、そのときだった。自宅の扉に鍵はかかっておらず、しかも電気がついてなかったのだ。玄関は半開きで、まるで誰かが出て行った後みたいだった。

 罵り言葉だらけの扉を開けて、イーライは屋内へ。リビングで何か食料を調達しようと、静かに、暗いままの部屋に入る。

 そのときイーライは、足下に何か冷たいものがあるのを感じた。それは液体で、しかし水よりも粘土が高くねっとりとしていた。

 なんだと思い目を下げると、そこには母の遺骸があったのだ。頭頂部を石か何かで砕かれ、頭蓋から脳梁を飛び出させた母の姿。

 イーライは絶叫をあげ、その場に倒れた。警察に通報する間もなかった。

 そうして彼は、愛する女性も、家族も、何もかもを失ったのである。


 気絶したイーライと両親の死体は、イーライの叫び声を聞いた隣人が駆けつけたことにより発覚した。すぐに警察が急行し、捜査が行われた。イーライは病院に送り届けられ、翌日の昼には目が覚めた。

 病床でようやく意識を取り戻した彼を待ち受けていたのは、警察官による取り調べだった。栄養失調になりかけていたイーライには点滴が打たれ、医師からは安静にしているよう言われていた。だが、警察はそれを無視して取り調べを強行した。イーライは、それが警察の捜査への熱意だと感じたが、取り調べを進めていくうち、彼らの仕事の粗雑さから、移民殺しなんてさっさと片づけたいだけだと気が付いた。

 結局、イーライは何も答えられなかった。家出をして、たまたまお腹が空いて帰ってきたらこうなっていた――警察にそう話すと、彼らは露骨に舌打ちをした。犯人への手がかりが一切無かったからだ。

 そうして、カッツ夫妻殺人事件は、うやむやの捜査が続けられるだけになった。イーライが退院して、孤児院に入るようになった時でも、犯人の素性はおろか、些細な特徴すらもわからないままだったのだ。


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