表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

#4 「違和感」

トンネルの前に着いた。

僕らは隅っこの歩道を歩いていた。

隣の車道は交通量がすごいらしく、車やトラックが途切れない。

僕らと車の間がガードレールで隔たれている。


でもトンネルの中はしっかり換気されていて、空気が綺麗だ。


ここは山の上。車道の向こうには谷を挟んでもうひとつの山が見える。

なかなか良い風景じゃないか。


とりあえず、トンネルに入ろう。ユンが手を引っ張る。

ちょっと手をつなぐのは勘弁してほしいね。

トンネルの中は一本道で、車の音が反響して大きくなった。

会話もできない状態だ。ユンは大きな声を出した。

窓を開けてる車もいるんだからやめてほしいな。まあ、楽しそうだし、いいか...。


外にでた。

(なにやら違和感が...)


ひさびさの外の空気も良い。天気はくもりだけど...

出てすぐに目に入ったのは、店だった。

道路沿いに小さな店があった。どうやら、スーパーらしい。

そのことは、ユンも気になっていた。

『入ろうよ。』なんて言っていた。

僕も結構気になっていたので、入ることにした。

ただし、何も買わないからな。


ユンがちょっとふてくされた。

面白いな、こいつ。


中には、お菓子が売ってあった。

それは最初に目についたものだ。

段々と見ていると、なにやらおかしかった。


食料品は勿論、プラモデル...?それに、おもちゃが多い。

最初はおもちゃ屋と融合してるのかと思った。

しかし、外にははっきりとスーパーと書かれている。


ああ、外に出てしまった。

ユンがまだ中にいるので、連れ出してきた。

外に出た時、 違和感の正体が分かった。

店の向こうには、海があった。しかも砂浜。

結構賑わっている。


トンネルに入る前は確かに山の上だった。

谷がかなり下に在る程、山の上だったのに。

海...?

トンネルもまっすぐ一本道だった。

それなのに、海があるのはおかしい。

僕らはいつの間に山を下ったんだろう。


...こんなことを気にするのがおかしいのか。

ユンは気づいていない。


そして、誰も気づいていない。

皆、何も知らないでここにいる。違和感も無い、何事もなかったかのように。

僕は少し不安になったが、ここは気にしないのが正解か。

とにかく進もう。


また僕らは歩き始める。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ