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#3 「廃街」
歩くに連れ、外は曇り薄暗く、
地面には枯れた草が生えている。
そんなゴーストタウンにたどりついた。薄い曇からさしこむ光は町には少ししか届かない。
二人の跡をつける僅かな影がそれを証明している。
窓が割れて汚れた高いビルの一角に、座ってる老人がいる。
...どうやら死んでいるようだ。
もうこの町には命など存在しない。
命の跡だけ。
過去の栄光にすがるように、
人を待つように、ビルは建っている。
もう誰も来ないのに。
それを知らないようだった。
僕らは何をしているんだろう。
強烈な気配が足元を動かす。
焦るように立ち去った。
後ろの何かは寂しそうにこちらを見つめ、追いかけては来なかった。