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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

どうやら俺はBLゲームの主人公に転生してしまったらしい

作者: Ash
掲載日:2015/02/17

「キョウカラクラスノイチイントナルキミモンドクンダ」


何か音が聞こえるが、よくわからない。

人の声?

どうやら男の声のようだ。

誰の声で、どういう状況で言われたものなのか?


サッパリわからない。


目の前には40名ほどの10代半ばの少年少女たちが机を前に席に着いている。

教室?

男女共にブレザーだ。胸ポケットに校章らしき刺繍がされている。

学生?高校生か?

学ランは嫌だったが、女子がセーラー服でないのが悲しい。


状況がサッパリわからない。

脳が外部からの情報を拒否しているようだ。


脳内再生してみる。


『キョウカラクラスノイチイントナルキミモンドクンダ』


クラスの一員?


キミ モンドだと?


ありえない。

俺の名前は・・・・・・?

わからない。

とりあえず、キミ モンドのはずがない。

ありえない。

キミ モンドは3年弱提供されたゲームの登場人物の名前だ。

メインプログラマーがバックレて提供できなくなった作品だ。


『キョウ カラ クラス ノ イチイン トナル キミ モンド クン ダ』


文節で区切ってみたが変わらない。


とりあえず、俺が同級生ならJKのカノジョがいてもロリコンじゃない☆


「キミくん、自己紹介を」


急かす教諭の声。

さっきの声からして奴は教諭だったらしい。


振り返って見た教諭の髪の色が・・・緑。グリーン。アズーリ。・・・アズーリは青か。いや、日本では元々緑色と言う概念はなく、緑は青と呼んでいたから青信号はどう見ても緑なのに青信号と呼ぶ。

クイズ番組でやっていた豆知識が出てきた。さすが、俺☆ 週末しか帰られない状況でよく見てたな☆ そして憶えていたな☆ すごいぞ、俺☆


・・・現実に戻りたくない。


「キミくん」


再び教諭。

青筋立てている?

確認したくないので振り返らない。


それにしても名字がキミって珍しいよな。ありえないよな。まさか卵の黄身の黄身が漢字ってことはないよな。そうだったらネットの掲示板に書き込む。珍名奇名だよな。ニノマエやワタヌキ程じゃないがダイコン級だよな。


・・・現実に戻りたくない。


とりあえず、ありえない。

ありえない色だった。

目の前に座っている男子生徒の髪の色も青、緑、赤のみ。

女子は黒という自然な色。

なんで男だけ普通じゃないんだよ。

女子は髪を染めた奴はいないのか?

男だけ染めているのか。・・・それも全員。


・・・現実を認めたくない。


さっきの言葉はつまりこうか。


『今日からクラスの一員となるきみ主人もんどくんだ』


・・・現実を認めたくない。


女子はみんな同じ髪型で同じ顔。

男(教諭除く)もみんな同じ髪型で同じ顔。

男が同じ髪型なのはまだ良い。

男子生徒が坊主頭の高校があってもおかしくない。

野球部員はみんな坊主頭だ。


・・・現実に戻りたくない。


「キミくん」


またまた教諭。


・・・現実を認めたくない。


嘘であって欲しい。

寧ろ、ありえない。


きみ主人もんどはゲームの登場人物の名前だ。

ゲームの主人公の名前だ。

・・・BLの。

主要な攻略対象以外の、生物学上XYであれば名前も出てこないモブまで攻略できる【どうあがいても恋愛(BL限定)】がジャンルというか、セールスポイントのゲームだ。

コンセプトは『必ず恋愛エンド』が迎えられる安心のBLゲーム。

誰得だよ!!!


黒髪(女子)は攻略できない。

攻略しようにも好感度をカウントする容量がない。

せっかく共学なのに。


だが、男相手なら話しかけただけで好感度が上がる。

同じ授業を受けているだけでも好感度が上がる。

同じ部活や委員会で活動しているだけでも好感度が上がる。

授業の共同作業で失敗しても好感度が上がる。(これは個人差があるので、上がらないキャラもいる)

購買や食堂を利用するだけで好感度が上がる。(生徒だけでなく、売り子やら調理師まで)

自宅に篭っていれば大丈夫かと言うと、それでも好感度が上がる。(プリントを持ってくる同級生やら、心配した担任、そして高好感度で自宅に上がりこみたいキャラ)

学外でも、街を散歩しているだけで好感度が上がる。(学生以外の街の人まで)


無視しようが、冷たくあしらおうが、怒ろうが好感度が上がる。


つまり、注意していないと即エンディング。


このゲームのXYはMなのか?

それとも病んでるのか?


それだけじゃない。

名前すらないモブにも個別の設定や個別エンディング(ハッピー、ノーマル、バッド)が用意されている。

プログラムは辛かった。誰得な好感度のカウントと個別エンディングはバグの温床で、リリースが遅れてディレクターに文句言われるとこだった。仕様書は作りたかったが、作る暇がなかった。なので、プログラムはブラックボックスだ。おかげでアップグレードが大変で、3年弱の提供しかできなかった。

デバッガーも死んだだろう。いや、好きな人間にはたまらないか・・・。

俺はプランナーを恨んだ。なんで誰得なゲームを作った。

俺はプランナーを野放しにしたディレクターを恨んだ。

俺は誰得なゲームにGOサインを出したプロデューサーを恨んだ。



・・・現実を認めたくない。




どうやら俺は【とき土器LOVEトラップ】の主人公のようだ。




死んだ覚えはないので、夢落ちか、数時間の憑依トリップであることを祈る。

俺は恋愛(BL限定)をしないように足掻いてやる。

現実に戻ったら仕様書を作成するから、だから許してくれ、姉とその友人たち。

拙い初投稿を読んでいただき、ありがとうございます。

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