スライム村の子供:彼視点
前回の少年視点です。
まだペットは欠片も出てきません;
ようやく僕もみんなと一緒にスライム退治できるようになりました。
お母さんは遊びじゃないのよっていうけど僕だけ仲間外れで寂しかったから嬉しいな。
まだ僕には難しいけどお兄ちゃん達は強いしみんなと一緒で嬉しいな。
でもでも、気付いたらスライムに襲われそうになってて…
手を繋いでるお姉ちゃんはびっくりして動かないし
お兄ちゃんもびっくりしてるしちょっと遠い。
どうしようって思ってたらお姉ちゃんにぎゅうぅってされた。
僕どうなるんだろう。
そしたら後ろから剣が鞘ごと飛んできてスライムが止まった。
助かった~ってホッとしたのにすぐにウニウニ~って腕(?)を伸ばしてきて…
僕はぎゅって目をつむった。
ザンッ
誰かがそれを斬った。
かけつけてきけくれたから髪がひらひらと舞って
横顔が凛々しくて僕はぽーっとしてしまった。
スライムの切れ端を踏んで消滅させると小さくぼそりと
「うぇっ気持ちわるっ」
って言ってちょっとだけ嫌そうな顔をしてまた真面目な顔になった。
スライムがいなくなってほ~っとみんなで息を吐いた。
お姉ちゃんがぺたぺた触ったりお兄ちゃんに頭を撫でられたりしたけど僕はぽけ~っとお姉さんを見てました。
そしたら片眉をしかめて僕をみました。
「そのままだったらアンタのお姉ちゃんはいっぱい痛い思いしたのよ?ちゃんとお礼言いなさい」
僕はハッとしてお姉ちゃんを見上げました。
「お姉ちゃんありがと~。」
「お前が無事ならいいの」
って涙を浮かべながらぎゅってしてくれました。
お姉さんを見上げると笑ってくれました。良かった~。
そのお姉さんはふたつ向こうのお家であまり一緒に遊んだ事はないけど無口だけど優しいお姉ちゃんで…
だから僕はお姉ちゃんがつよいとか知らなかったし、スライムにむけて言った乱暴な言葉遣いにびっくりしました。
でも、その真剣な顔も嫌そ~な顔もちょっぴり怒った顔も優しい笑顔もなんだか大好きだなって思いました。
大好きな顔が見たくて僕はその日からお姉さんを追いかけてました。
僕は、あの日から彼女の虜です。
別に彼女はチートでもないし特別強くもありません。
五人の中ではリーダーサブリーダーと同じく年長なので慣れです。
少し年下なのが少女で
もう少し年下なのが少年です。
彼女の容姿は特別目を惹く訳ではなく至って平均です。(前々回のタグの彼の目は恋は盲目、です。/笑)
因みに彼は少年時代はふわふわした髪のほんわりした可愛らしい天使みたいな子なイメージです。