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第二部

第二部

カーメンの後に続いて宮殿の奥へ進むと、入り口には小太郎がこれまで見たこともないほど美しい女性が立っていた。背丈はカーメンと同じくらいで子どものように小柄だが、体つきは大人の女性そのものだった。

女性は小太郎を見ると、柔らかく微笑んだ。

「初めまして、小太郎様。私はこの城の主、乙姫と申します。遠路はるばるお越しくださり、ありがとうございます。あなたにお会いできる日を、今か今かと待ちわびておりました。長旅でお疲れでしょう。まずはお風呂に入り、服も着替えてください。その後、食事の用意をいたします」

乙姫が手を軽く振ると、彼女に負けないほど美しい二人の女性が現れた。二人は小太郎と同じくらいの背格好で、額の中央には青く輝く宝石のようなものが埋め込まれていた。

「この二人は、あなた様のお世話をするためだけに造られた者たちです。遠慮なく何でも申し付けください。あなた様の命令を実行することに喜びを感じるよう設計されています。もし、人の顔では言いつけにくいようでしたら、猫や犬、ほかの動物の顔に変えることもできますが……いかがなさいますか?」

乙姫の言葉に、小太郎は何が何だかわからず、ただ首を縦に振るしかなかった。

二人の女性は、ターイとヒラメと名乗った。小太郎は二人に導かれ、奥へ進む。そこには、大きな釣り船を五隻並べたほどの広さの湯船が床にはめ込まれていた。

湯船に近づくと、ターイとヒラメは小太郎の服を脱がせ、自らも衣を脱ぎ、小太郎の体を丁寧に洗った。湯はちょうどよい温かさで、これまで嗅いだことのない良い香りがした。

入浴を終えると、ターイとヒラメはそのまま小太郎を食事の会場へ案内した。どこで服を着せてくれるのかと思いながら後に続くと、会場にいた乙姫もカーメンも、ほかの者たちも全員が衣を身につけていなかった。

小太郎は思わず息をのんだ。子どもだと思っていた乙姫の体は成熟した女性そのものであり、カーメンの体も立派な成人男性のものだった。

この国では「衣服」という概念が異なるのだと、小太郎はようやく理解した。

混乱する小太郎に、乙姫が穏やかに声をかけた。

「さあ、皆で食事を始めましょう」

額に青い宝石をつけた男女が、見たこともない料理を次々と運んできた。香りだけで小太郎の腹が鳴りそうだった。

隣に座ったカーメンが勧めるままに一口食べると、これまで味わったことのないおいしさが口いっぱいに広がった。小太郎は言葉を忘れ、夢中で食べ続けた。酒のような飲み物もあり、小太郎はそれも夢中で飲んだ。カーメンが料理の説明をしてくれたが、小太郎には理解できなかった。


食事が進み、腹が満ちたころ、美しい音楽が流れ始めた。気づけば、テーブルの正面には舞台があり、そこに一糸まとわぬ美しい男女が現れた。子どものような背丈だが、額の宝石が青く光り、彼らは官能的な踊りを披露した。さらに驚いたことに、彼らは宙を舞うように軽やかに飛び回った。

「空を自由に飛ぶ天の使い。ある場所では、羽を持つ裸の子どもとして知られています」

カーメンがそう言ったが、小太郎には意味がわからなかった。

やがて踊りが終わり、小太郎に眠気がさしてきたのを見て、乙姫が寝室へ行くよう勧めた。

小太郎は食事のお礼だけを述べ、ターイとヒラメに案内されて寝室へ向かった。

寝室には、小太郎の家よりも大きな、見たこともない柔らかな寝具が置かれていた。横になると、心地よい温かさに包まれ、体が沈み込むようだった。

そのまま眠ろうとしたとき、両脇からターイとヒラメが寄り添ってきた。

その夜、小太郎は初めて「女性の温もり」というものを知った。

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