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情熱の理と「欲望」の結界



 

マスターの狂気の愛の魔力がベリアル(概念体)に貪り喰われ、ベリアルはさらに巨大な欲望の渦へと変貌していく。グリムは左肩の激痛と、唐紅の弓懸から奪われる****情熱の感覚に耐えながら、弓を錬成した。 

 

シエル、究極演算の賭け

頭上、王都塔の亀裂を必死に抑え込んでいる****シエルの声が、幾何学の理を通して****グリムの脳裏に直接響いた。

 

「グリム!ベリアルはもはや、物理的な肉体を持たない『概念』です!マスターの**『狂気の愛』のような『純粋な概念エネルギー』を吸収し、自身の『欲望の論理』を拡大**させている!」

 

「じゃあどうするんだよ!俺の情熱も奪われてる!このままじゃマスターがやられる!」

 

「唯一の対抗策は、ベリアルの論理を一時的に**『飽和』させること。ベリアルは全てを欲するが故に、一瞬で膨大すぎる価値を手に入れると、処理が追いつかない**!」

 

シエルは悲痛な演算を告げた。「グリム。唐紅の弓懸に宿る、貴方の**『不滅の情熱』、その全てをベリアルに捧げなさい**。命の危険を伴うが、それが、ベリアルの論理を一時停止させる唯一の**『価値』**です!」

 

情熱のすべて、欲望への投擲

グリムは一瞬、躊躇した。唐紅の弓懸は彼の情熱の源であり、それを****手放すことは戦士としての****自己を失うことに等しい。しかし、目の前で苦しむ****マスターの姿を見て、覚悟を決めた。

 

「上等だベリアル!欲しいならくれてやる**!俺の全てをな!」

 

グリムは左肩の傷から血を流しながら、唐紅の弓懸を力ずくで引きちぎり、黄金の渦を巻く****ベリアルの概念体へと投げつけた。

 

弓懸はベリアルに触れた****瞬間、強烈な紅い光を発した。クレナイ師匠の魔力とグリムの情熱が凝縮された**『不滅の理』という「究極の価値**」が、ベリアルの欲望を満たすために一斉に解放**されたのだ。 

 

「グフッ……!!こ、この****価値は……!膨大すぎる**!**」

 

ベリアルの概念体は紅い光に飲み込まれ、その****欲望の渦が一瞬、停止した。黄金の粘液が固まり、ベリアルの論理が処理落ちしたことを示している。

 

マスターの反撃と「価値」の真実

「グリム!お前という奴は……!」マスターは膝から立ち上がり、奪われかけた愛の魔力を再び****拳に集中させた。

 

シエルの声が再び****響く。「マスター!今です!ベリアルの論理が停止しているこの****瞬間に、彼の概念を**『価値のないもの**』として****処理させる**!」

 

マスターは渾身の力で、固まった****ベリアルの概念体の中心に拳を叩き込んだ。

 

「価値だと!?俺の愛が詰まったこの拳で、テメェの欲望をブチ****壊してやる!王都の秘宝は、誰にも渡さねぇ!」

 

マスターの拳がベリアルの概念体を打ち砕き、強烈な愛の魔力の波動が発生した。

 

ベリアルの概念体は粉々に砕け散り、黄金の魔力が霧散していく中、その****声だけが空間に響いた。

 

「強欲は……究極のエゴ……。愛もまた、究極のエゴ……。フフフ……いずれ、全てを欲する……」

 

ベリアルの魔力が完全に消えた後、地下の崩壊も一瞬で止まった。マスターは膝から崩れ落ち、グリムは弓懸を失った****左腕を抱えた。

 

シエルの声が安堵と共に響く。「成功です、マスター、グリムくん。ベリアルは撤退しました。しかし……」

 

シエルは演算を続けた。「ベリアルが狙った****七賢者の秘宝……王都の地下に秘匿されていた**『賢者の遺物**』が、既に彼の手に渡ってしまった可能性が極めて高い**……」

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