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嫉妬の演算と唐紅の一撃



嫉妬の演算と空間の歪み

王都塔の入り口に到達したグリムの前に、シルファ(嫉妬)が冷たい笑みを浮かべて立っていた。彼女の周囲の空間は無数の論理の断片で歪んでおり、魔力の波動がシエルの演算を妨害していることを示していた。

 

「情熱の愚者が来たか。演算のない力など、我の論理の前では無意味」

シルファの魔力は、グリムの錬成とは異質な、冷たい論理で空間を解析し、制御していた。彼は一歩も動かず、周囲の論理の断片を魔力で構成し、自動迎撃システムとして展開した。 

 

「我の嫉妬は、完璧な論理を持たない全ての力を否定する。貴様のその熱意は、ビアス様の最終演算の欠陥を浮き彫りにする愚かなノイズに過ぎない」

シルファの言葉と共に、空間に展開された論理の断片がグリムへと殺到する。それは目に見えない刃であり、魔力の安定性を瞬時に崩壊させる理の攻撃だった。 

 

「理がどうした!俺の情熱は、論理に縛られねぇ!」

 

唐紅の矢、論理の貫通

グリムは唐紅の弓懸ゆがけを強く握りしめ、クレナイ師匠に教わった**「理の呼吸」を極限まで高めた**。

 

「情熱を、論理として出力する」—唐紅の理の本質が、グリムの体を駆け巡る。

 

彼は弓を引き絞ると、炎の矢を錬成した。その矢は、シルファの論理の断片が作り出す、複雑な干渉空間へと真正面から突入した。

 

シルファは余裕の笑みを浮かべた。彼女の演算では、グリムの矢は途中で魔力が分解され、消滅するはずだった。

 

しかし、唐紅の矢は違った。

 

クレナイの情熱が込められた矢は、シルファの複雑な論理の網を、力ではなく**「純度」と「単一の情熱」という絶対的な理をもって貫通した。嫉妬の論理から作られた赤い斬撃は唐紅の不滅の炎に触れると、波長が乱れ**、演算が一時的に****エラーを起こした。 

 

矢はシルファの顔の横を掠め、王都塔の壁に深く突き刺さった。

 

「なっ……!馬鹿な!我の演算が一瞬、停止した!?単なる情熱が、複合的な論理を上回るだと……!」

 

シルファの冷たい顔に、初めての驚愕と苛立ちが浮かんだ。

 

マスターの狂気、囮としての成功

グリムがシルファの演算を一瞬でも停止させた隙を見逃さず、王都の街中ではマスターの叫びが響いた。

 

マスターはゴレモリーの魅了に抗いながら、狂気の愛の魔力を最大に解放し、自分を囮として機能させていた。

 

「来い、ゴレモリー!私の愛の狂気は、お前の色欲では絶対に止められない!お前が本当に欲しい愛は、ここにあるぞ!」

 

マスターの言葉にゴレモリーは狂喜し、魅了の魔力をさらに増幅させた。

 

「ああ、シズク!その愛、全て私に捧げて!」

 

ゴレモリーがマスターの誘引に完全に集中したことで、シルファへの魔力援護は途絶えた。

 

グリムは再度、唐紅の矢を錬成する。

 

「シエル!マスターが時間を稼いでくれた!俺がシルファを倒す!お前は王都塔を護れ!」

 

グリムの言葉は王都塔の内部にいるシエルには届かない。だが、グリムの情熱は既に、シエルの演算の一部として組み込まれていた。シエルは無言で頷くように、王都塔の魔力核へと意識を集中させた。

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