前へ目次 次へ 95/474 それでね⑤ 実咲は手ぶらだった。 「弁当を食べる」といっても、 どうするのだろう。 私の思いを感じ取ったのか、 「後から、陽子ちゃんも来るよ~。」と、のんきな言い方をする。 その通り、陽子が上の階から階段で下りてきた。 両手にお弁当の包みを抱えている。 「リコ様、今日は実咲様の手作り弁当でございます。」 今日は陽子のそれではなかったのか。 実咲の手料理なんて、初めてではなかったか。 期待と不安があったが、 3人で学食に向かうことにした。