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それでね④
「ねえ、一緒におべんと食べようよ。
それとも、何か他にご用でもあるのかしら? 」
そう言いながら、私の瞳の奥まで覗き込むように身を乗り出す。
私は実咲の瞳に吸い込まれるような感覚を覚えた。
実咲がこんなに「いい女」だったとは、
改めて惚れ直すレベルである。
もし独身男だったら、
こんな女に、
こんな風に見つめられたら、
「このまま死んでもいい」
というレベルまで持っていかれるだろう。
「危ないから、まずは下に下りてくれ。」
やっと我にかえり、
こう言うのが精いっぱいだった。




