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それでも⑯
「それはそうと、どんな『作戦』を立てたんだ? 」
私が訊くと、実咲は、
「ひ・み・つ。
実行の日時も秘密。
まあ、楽しみにしておいてよ。
びっくりさせるから。」
まあ、任せて安心だな。
実咲の母からの『仕送り』は、
当面の生活や、
出産などがある場合の資金として、
ありがたく貯蓄させていただくとし、
足利銀行に実咲の口座を開設して貯蓄に回した。
まあ、私としても、
いろいろバタバタと、準備不足のまま進めてしまった面があったから、
抜けていた部分を中心に、
綻んでしまった部分もあったのだろう。
5月末の土曜日、
私と実咲、
陽子とシュウ、
2組合同の結婚祝賀食事会が開かれた。
初めて会うシュウや陽子の両親、
そして実咲の母、
皆嬉しそう。
ささやかではあるが、
温かな雰囲気の会であった。
特に陽子の料理の腕前には、
両親が感激して涙する場面もあり、
かつてのヤンキー高校生の変貌ぶりには
驚かされたのであろう。




