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それでも⑮
「実咲の母、そしてシュウの両親、陽子の両親をここに招待し、
合同食事会としたらどうだろう。」
私は提案した。
「いいんですか、私たちも一緒で。」と陽子。
「本当はオマエたちには随分世話になったのだから、
別の機会を設けてもいいのだし。
やっぱり別の機会がいいか? 」と私が二人に訊くと、
「合同にしましょう。
これからは緊縮財政をとるべきですし。」
キッパリとシュウが言った。これには陽子も逆らえず。
「いいけど、本当に御当主、お父様を呼ばなくていいの? 」と実咲。
「いいんだ。第一、オヤジも来たくないだろうし。」
「そうかなぁ、冴子ちゃんが亡くなって、
ただ一人の実の子であるアンタが結婚するのに
食事会にも出られないなんて、寂しいんじゃ・・・」
「圭子さんに対しての遠慮もあるからな。」義母の名を出した。
「それはそうかもしれないけど。」
それ以上、実咲はこの話題を続けなかった。
実咲としては、
実の父親を亡くしてまだ5年くらいしか経っていないだけに、
義理の父親にきちんと挨拶くらいはしたいという気持ちもあるのだろう。
「子どもでもできたら、考えておくよ。」
そう声をかけておいた。




