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それでも⑨
翔子はまだあきらめない。
「ねえ、講師の先生があんまりホワイトボードに字を書かないもんだから、
ノートを見せてよ。」
「資料があるじゃないか。そこに講師が述べたことを書き込めばいい。」
「それができればやってるわよ。
お願がぁい、書いたものを見せてぇ。」
おいおい、そんなことで、どうやって教員採用試験を合格したんだ?
仕方がない。
後で出張報告を、
職場を通して県教委に提出することになるから、
こちらのメモ入り資料を見せた。
翔子が急いで書き取る間、
こちらは講師の話を聴いて記憶する。
これが結構面倒である。
その間、翔子がやたらと密着したり、
ボディータッチをしてくるが、
こちらは肌の露出が少ない厚めの生地のメイド服で助かった。
とにかく、この時間は、
翔子が私のメモを写す→また私がメモを書く→また翔子が写す
ということを繰り返していたので、
いつもの倍以上疲れてしまった。




