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それでも⑧
「ねえ、先週、大学の保護者の長野県人会があったんだけど・・・」
「そうか。」
卒業したのに、まだそんな会にオヤジは参加していたのか。
外面のいいのは相変わらずだな。
「それでね、ウチのお父さんとアンタのお父さんが意気投合してね、
『ウチの娘をよろしくお願いいたします。』
『ウチの息子をよろしくお願いします。』
って、挨拶したらしいのよ。」
「そうか。」
「ねえ、これって、『お見合いしろ』っていうことなのかしら? 」
上目遣いにこちらを見てくる。
なぜ、そういう話になる。
「いや、それはおかしい。
第一、金曜に既婚者であることを公表しただろう? 」
「そうだけど・・・
でも、あの話、信用していない人は、
生徒の中にも、
教職員の中にも、
結構いるわよ。」
翔子はまだ、
私の横に密着している。




