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それでも③
職員会議でも、
これまでに前例のない事態だけに、
なかなか意見が出ないかと思われた。
そこへ、同期新規採用の五十嵐が挙手した。
彼は、見た目こそ華奢なヤサ男だが、
自衛官からジョブチェンジして高校教師になったため、
私より1歳年上である。
物理担当、
自衛官時代はIT戦略担当だったらしい。
「まずは、この会議の内容が漏洩しないよう、
全職員に箝口令を敷く必要があります。
生徒にパニックを起こさせないこと。
外部の者が侵入しないよう、予め対策が必要です。」
「例えば? 」校長が問うと、
「やはり警察の応援を頼んだ方が良いかと。
自衛隊の動員が必要ならば、こちらで手配いたします。」
「そこまで必要なのですか・・・」教頭が口を挟むと、
「梅原先生の動向は、ネット民には筒抜け状態ですから、
こちらは隠密に行動しなければ、
何が起きるかわかりません。」




