前へ目次 次へ 55/474 さらに邁進⑤ 「お気をつけて、リコ様。」シュウに見送られて、校舎に向かう。 相変わらずの熱狂、声援である。 学生時代から見慣れた風景だが、 筑波大生時代はそうでもなかった。 周囲に変わり者が多かったせいで、大して目立たなかったからかもしれない。 今は、私一人が異分子なんだろう。 醒めた目で状況を眺めていた。 ジュラルミンケースはいつも左手に持つようにしている。 利き手の右手をあけておくことで、不測の事態に備えるためだ。 校長がわざわざ出迎えに、群衆の中から出ていらっしゃった。