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プロローグ


恋は呪いだ。誰かがそう言っていた。好きになってしまったが最後、その人を呪い続け、その人を愛した自分すら呪ってしまう。ドロドロに溶けて、原型を無くし、元にはもう戻れない。でも私は、その感情を知らなかった。

だからわからなかったんだ。失うことがこんなにも痛くて、悲しくて、怖くてどうしようもないことを。時には友情も置き去りにしてしまうことを。未来も過去も擲ってしまうことを。それから────


ドンッ。背中に鈍い痛みが走る。壁に押し付けられたのだとわかったとき、見上げた彼は見たことがないくらいに苦しそうな顔をしていた。息をすることさえままならない。零れそうな涙を必死に堪えて歪んだ顔は、私の胸まで締め付ける。そんな顔をしないでほしい。あなたには笑っていてほしい。それなのに、この手を伸ばすことが許されない。絞り出された声には悲痛が滲んでいた。


「ずっと一緒にいるって言ったじゃん……俺を、俺だけを見てよ!」


恋は、大切な人を、深く傷付けてしまうんだ。



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