表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

逆転のペットフェス


イベント当日、商店街はまるで昔の賑わいを取り戻したかのように活気づいた。

色とりどりのテントが並び、ワンちゃん連れの家族や若者たちが笑顔で歩き回る。


「Paw Couture」のブースは大盛況で、オーダーメイド体験に参加した子供たちが「次はうちの猫ちゃんの服も!」と目を輝かせた。

子供達は、購入したシンプルな、ワンちゃんやネコちゃんの服に、布地用の糊で、リボンや、レースをつけたり

ワッペンを、親にアイロンでつけてもらっていたりしていた。


手縫いや、ミシンが出来る大人や、学生達は

自分の好きな柄の生地で、服を作っていく。


八百屋のペット用スムージーは完売し、マスターのカフェスペースはワンちゃん連れで満席になった。


彩花の動画も再びバズり

SNSでは「商店街のペットフェス、最高!」「Paw Coutureの服、めっちゃ愛情感じる!」とコメントが溢れた。

地元テレビ局まで取材に訪れ、商店街全体が注目を浴びた。


PetPopの店舗は依然として賑わっていたが、商店街のイベントは「安さ」ではなく「人と人、ワンちゃんと飼い主の絆」を求める人々を引きつけた。

常連のコタローさんのおじさんは、「お前らの情熱、ちゃんと伝わったな!」と笑顔でマント姿のコタローを撫でた。


ペットフェスの成功で、「Paw Couture」は新たな常連客を獲得し、オンラインショップの注文も増えた。

美咲は現実的な視点から、限定の既製品ラインを小規模で導入することを提案。

彩花も「オーダーメイドの魂を損なわないなら」と渋々賛成し、祖母のデザインをベースにしたシンプルな既製品を展開した。これが意外なヒットとなり、店の安定収入につながった。


一方、彩花はSNSでの発信をさらに強化し、ワンちゃんごとの「物語」を紹介する動画シリーズを始めた。莉子ちゃんのドレスやコタローの武将マントが、飼い主さんの愛情とともに全国に広がった。


商店街もペットフェスを定期イベント化し、PetPopとの共存を図りながら独自の魅力を発信し続けた。

美咲と彩花は、祖母のスケッチブックを手に、改めて誓った。


「どんなに大きなチェーン店が来ても、うちの服にはワンちゃんと飼い主さんの笑顔がある。それを守り続けるよ!」

商店街の外れにそびえるショッピングセンターを横目に、「Paw Couture」の小さな看板は、今日も温かな光を放っていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ