盗作対策と信念
彩花と美咲は、デザイン盗作の疑いと「HappyPaws」の傘下入り提案に直面しながらも、「Paw Couture」の魂を失うわけにはいかないと決意を新たにした。
店のカウンターにノートを広げ、二人は夜遅くまで対策を話し合った。
盗作対策:独自性を守る一手…
「PetPop」の盗作疑惑に対し、彩花は「デザインを公開する前に、まず商標や意匠登録を進めよう」と提案。
美咲も「そうだね。細かいパターンやロゴを登録して、法的保護を固めなきゃ」と同意した。
さらに、SNSでの新作発表は控えめにして、顧客向けの限定メールマガジンで先行公開する戦略に切り替えた。
これなら、常連客に特別感を与えつつ、デザインの流出リスクを減らせる。
彩花は
「次は、顧客のペットの写真を使った『ストーリー動画』を増やそう。愛情が伝わるコンテンツなら、PetPopの量産品とは差がつく!」
と目を輝かせた。
「HappyPaws」からの提案については、二人はきっぱり断ることを決めた。
美咲がメールを書き始めた。
「私たちの店は、彩花のデザインと私の採寸で、飼い主さんとペットの物語を紡いできました。大量生産では、その想いは伝えられないです。」
メールには、丁寧ながらも強い意志を込めた。
彩花も
「傘下に入ったら、商店街の仲間やコタローさんたちの笑顔を裏切ることになるよね」
と頷く。
送信ボタンを押す瞬間、二人は互いの手を握り、「これでいい」と確認し合った。
オンラインオーダーメイドの強化経営の立て直しのため、オンラインでのオーダーメイド受注を強化することに。
二人はウェブサイトをリニューアルし、顧客がペットの写真や好みを送信できる専用フォームを設置。
ビデオ通話で採寸のアドバイスをするサービスも始めた。
常連のコタローさんのおじさんが早速注文し
「こんな丁寧な対応、他じゃ無理だよ!」
と太鼓判を押してくれた。
SNSでは、完成品を着たペットの動画に飼い主のコメントを添えて投稿。
徐々に「Paw Coutureの服は特別!」という声が広がり、オンライン注文が増え始めた。