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自称悪者な俺と悪のお助けマンな後輩ちゃん  作者: たかくん
第1章 悪役同盟始動...のはずが?
9/10

◯悪事その② 活動資金通り魔徴収策?後編


第9話



「えっ?ライナちゃん、その...もう1回だけ言ってもらってもいいかな?」


「はいっ!何度だって言います!喜愛輝星さんっ!あなたは私のヒーローです!どうか私とお友達になっていただけませんか?」


お友達になってほしい...私がそんな言葉を投げ掛けられたのは果たして何年振りだろうか?いや、そもそも言われた事すらない気がする。


私は少なくとも小学校高学年辺りからは周囲からは変わり者扱いされる日々で友達と呼べる子はおらず、私に近づいてくるのは自らの悪事のために私の性格を上手く利用しようと取り入るような子達ばかりだった。そのため、私の方も自然と他人を寄せ付けなくなっていった...だから、自分には友達は不要だって...あの時からずっと思うようになっていったっけ...


えっ?神城先輩?彼と私はあくまでビジネスパートナー的な括りだから該当しないよ?


「えっと、私とお友達に...本当に私なんかとお友達になってくれるの?」


「もちろんです!それに私なんかなんて言わないでください!私を守ってくれた喜愛さんはとってもかっこ良かったんですから!」


「.........」


私は嬉しさの半面、困惑もしていた。私がライナちゃんと友達になった場合、今後の悪役同盟の活動に意図せぬ形でライナちゃんを巻き込んでしまうのではないか?そんな懸念があったのだ...


(できればライナちゃんを私達の活動に巻き込むような真似はしたくないし、心苦しいけどここは断っておかないとね...)


本心では私に本当の意味で初めてのお友達ができる事は嬉しい事だがやむを得ない...


そう判断した私が心を鬼にしてライナちゃんからの申し出を断ろうとした時だった。


「それに...万が一、断られても一生諦めるつもりはありません。」


「いやいや、一生って大げさな...」


「いいえ、だって、喜愛さんは『その子は私のっ!』って言って私を助けてくれましたよね?ですから、私はあの時点で喜愛さんのものになったのも同然ですし、他ならない私自身もそれを受け入れているんです!今日がダメならまた明日...と、何度だって頼み続けますから!」


「えっ?あっ、それは...」


ちょっと待って!?その...意味が全然違うんだよ...私はライナちゃんを【自分達の悪事のターゲット】という意味で言ったつもりなんだけど?それが変な意味に捉えられて思わぬ誤解を招いてしまってるし...


...とはいえ、今になってあの言葉の本当の意味を話そうにも、真相を知ってしまえばライナちゃんは深く落ち込んでしまうんじゃ...


いや!待てよ?それ以前に...


『ご冗談を。私を助けてくれるほどの正義感の強い喜愛さんがそんな事するわけないじゃないですか!もう少し上手い嘘をつきましょうよ!』


こんな感じでそもそも悪事の件を信じてもらえない可能性すらもある。


となると、もう受け入れる以外の選択肢は残されていなさそうだね...


「分かった。私なんかで良かったらこれからもよろしくね!」


「はい、こちらこそよろしくお願いします!喜愛さん!」


予期せぬ形で私に初めてお友達と言える存在ができちゃったね...


「あっ、私の事は名字じゃなくて名前で呼んでくれないかな?『輝星』って呼んで?これはお友達の証みたいなものだから。」


「分かりました!輝星さん、私とお友達になってくれてありがとうございます!」


「うん...」


何だろう?名前を呼んでもらえただけでこんなにも嬉しくなっちゃうなんて...


友達ができるとこんな気持ちになっちゃうのかな?少なくとも今までの私には無縁だったはずのものだ。


(これが友達...)


私がそんな思いに浸っていた時だった。


「お~い、俺の事を忘れてないか?」


「あっ、神城先輩...」


「ん?あなたは誰ですか?」


とんだ邪魔者?が現れたのだった...


(いやいや!何でこんないい雰囲気のところで来るんですか?空気読んでよ!)



まぁ...これに関しては神城先輩の存在を忘れていた私も悪いんだけどね...













「なるほど...つまり、輝星さんはこんな冴えない男の人の手助けを...ですか?」


「冴えなくて悪かったな!」


この後、ライナちゃんに神城先輩の事を紹介すると同時に私達の事情も話した。


もちろん、全てが真実を話したわけじゃない。お互いに出会った経緯や私達の活動内容なんかは上手くごまかしている。


要約するなら【私が人助けとして神城先輩のやる事を色々とサポートしている】みたいな感じに説明しておいた。


「とりあえず、今日のところはこの辺でいいかな?私と神城先輩は門限があるし。」


「そうですね。連絡先も交換できましたし、何かお力添えできるような事があればいつでも私を呼んでくださいね!」


「うん、その時はよろしくね。」


とは言ったものの、この先の悪事で私達がライナちゃんの力を借りるような未来は果たしてやってくるのだろうか?


「それと...確か神城先輩でしたっけ?あなたなんかに輝星ちゃんは渡しませんから!」


「いやいや!お前も俺への当たり強くね?てか、喜愛は別に俺のものじゃねぇし...」



あと、ライナちゃんは神城先輩の事をあまり快くは思っていなさそうだけど...何でだろうね?













そして、ライナちゃんが帰った後...


「...って、ちょっと待て!それよりも、今回も悪事に失敗しちまったじゃねぇか!お前がさっさとあの宇來って奴を気絶させないから!」


「今回ばかりはとんだ邪魔が入ったので仕方ありませんよ。次こそは成功させましょう。」



まぁ...三度目の正直って言葉もあるし、まさか三回連続で失敗なんてそんなのありっこないもんね?




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