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自称悪者な俺と悪のお助けマンな後輩ちゃん  作者: たかくん
第1章 悪役同盟始動...のはずが?
7/10

●悪事その② 活動資金通り魔徴収策?前編


第7話



俺達の初めての悪事が見事に失敗に終わったあの日から、俺は次こそは失敗しない悪事を必死で考えていた。


そして、何やかんやで数日後...


「...なるほど、私としましては最初は神城先輩らしからぬ考えとは思いましたが...これなら何とかなりそうですね。」


「そうだろ?今度の悪事は助っ人のお前が頼りの悪事になりそうだからな...しっかり頼んだぜ。」


「分かりました。この私が悪のお助けマンとして全力でお支えしましょう!では、集合場所と集合時間なのですが...どうしましょうか?」


「おっと、そうだったな...まず、集合時間は...」



そんな感じで俺は喜愛と会って、次なる悪事のための打ち合わせをおこなっていた。













その後...とある人気の少ない場所にて。


「無事に集合できましたし、早速始めましょうか?活動資金通(かつどうしきんとお)魔徴収策(まちょうしゅうさく)を。」


「なぁ?前回も思ったんだが、その個性的な作戦名のネーミングセンスはどうにかならないのか...」


「ふふっ、かっこいいでしょう?」


実際に名前に反して実際にやる悪事は大したことではないんだが...


(こいつは前に自分の名前について親のネーミングセンスをどうのこうのと言ってたが、自分だって完全に親譲りのネーミングセンスじゃねぇか...)


まぁ、今更作戦名なんてどうでもいいし、ここは触れないでおく。


「か弱き女子を私が一瞬でノックアウトさせた上にその隙に先輩がその女子から私達、悪役同盟の活動資金を徴収する...神城先輩らしくはありませんが、中々に素晴らしい悪事だと思いますよ?」


喜愛の奴め...作戦内容の言い方に誇張表現がありすぎだ...実際にこれから俺達がやろうとしているのは【か弱き女子を喜愛の武術で本人の気づく間もなく気絶させた末にその隙に俺が所持金を奪う】という強盗...いや、強盗傷害に近い悪事なんだがな...


「さて、よい子の皆さんは真似してはいけませんよ~!」


「おいおい...お前は誰と会話してるんだよ?」


「えっ?私達の作戦を偶然にも知ってしまった人達に向けての警告...みたいな?感じです。」


「実にくだらん...」


大体、計画はお前以外には一切話していないのに誰が知ってしまうというんだか...とりあえず、それは置いといてまずはターゲットとなりえるか弱き女子を探すのが先だ。


「では、今から私達の有り難き悪事のターゲットとなってくれるか弱き女子を探しに行くとしましょうか!」


「いや、有り難くはないだろ?むしろ、その女子からすればとんだとばっちりも良いところだ...」



不運にも俺達の悪事のターゲットとなってしまう女子に俺は心の中で謝罪しつつも、計画を取り止めるつもりはないのだった...













そして、俺達がターゲットとなりえる女子を探しはじめてから1時間が経過したのだが...


「う~ん、そんなに都合良くターゲットとなりえる女子は中々見つかりませんね。」


「はぁ...それに一人になるタイミングも慎重に見計らう必要があるからな...俺とした事が少し爪が甘かったかもな...」


俺達は肝心のターゲットとなりえる女子に恵まれていなかった。


いや、厳密に言うならターゲットになりえそうな女子自体は何人かチラホラといたのだがその度に友人や家族や彼氏といった同伴者がいたり、いざ仕掛けようと思ったタイミングで偶然にも第三者が通りかかったりといった理由で俺達が行動に出る事ができなかったのだ。


「はぁ...そういえば、私が悪のお助けマンになるためにパートナーとなる悪人を探していた時もこんな感じでしたっけ...」


「その...お前も随分と苦労したんだな...」


まぁ、誰とも知らない少女からいきなり悪のお助けマンとして雇ってほしいなんて言われてまともに対応してくれる人なんているはずがないだろな...最悪の場合は適当な理由で性犯罪なんかに利用される可能性だってあったのだから。あくまで俺が例外だったようなものだし...


「どこかの変態めくり魔さんも私をスカート捲りのターゲットにした時はこんな感じだったんでしょうかね?」


「なぁ?それについては何度だって謝るから!もうその話は忘れてくれよ...」


そうかもな...確かにその時の俺もターゲットを見定めるのにそれなりに苦労をしたような?気もする。とはいえ、弄りのつもりなんだろうがその話を蒸し返すのはできればやめてほしいものだ。


「あっ、神城先輩?次はあの子を尾行してみませんか?見た感じだとか弱そうな女子ですよ。」


そう言って喜愛が指差した先には下校途中だろうか?中学生くらいの女子の姿があった。


「そうだな。どうせ、次も上手くいかないんだろうな...」


「こらこら~!諦めちゃダメですって!」


やれやれ、次からはもっと手間がかからない悪事を考えるべきなのかもしれないな...



俺は今回の悪事の作戦内容を少しだけ後悔して諦めムードになりながらも、引き続きターゲットとなりえる女子の尾行を開始したのだった...




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