◯△集う後輩達?
第33話
(はぁ、もう...嘘でしょ...!こんな偶然ってあるの...!?)
単に興味本位で自分が進学する予定の学校に見学に行ったつもりなのに...まさか、そこが神城先輩や藍夏先輩の通う高校だったなんて...
そして、神城先輩に鉢合わせしてしまった時は咄嗟に平常心を保った上で西聖高等学校潜入大冒険なんてありもしない悪事をでっち上げていたけど...これ、もしかしたら普通にバレてるかもね...
(私が神城先輩に完全に無断で悪事おこなっている点、舞台に何故か神城先輩の通う学校を選んでいる点、わざわざ目立つ中学の制服を着た状態で来ている点、そもそも潜入の割にら隠れるといった隠密行動を特にせずに堂々と歩いていた点、私にしては悪事のネーミングがいつもと比べて安直すぎる点とか...)
う~ん、最後のやつは多少の無理矢理感があるけど、それを差し引いてもこれだけのツッコミ要素があれば流石の神城先輩でもバレていなかったとしても、少なくとも違和感ぐらいは覚えているだろうね...
...と、私がそんな事を考えていた時だった。
ピロン!
(...ん?こんな時に誰...ライナちゃんか...)
交友関係の狭い私と連絡先を交換している人なんて非常に限られている。他だと神城先輩や藍夏先輩くらいだし...
『もしもし、ライナちゃん?』
『あっ!輝星さんですか。あの...ちょっと相談があるのですがお時間はよろしいでしょうか?』
『うん、全然構わないよ~!』
輝星ちゃんから私へ相談ねぇ...また何かあったのかな?
『私が4月から入学するつもりの西聖高校についてなのですが...』
『ふ~ん...って!あれ...ええっ!?』
ライナちゃんがさらっと驚くべき言葉を口にしたのを私は聞き逃さなかった。
『ライナちゃん、その...もう一回、聞かせてもらえる?ライナちゃんが入学する予定の学校の名前を。』
『はいっ!西聖高校です!』
『うわぁ、こんな偶然ってあるんだ...凄い...』
だってだよ...進学先の高校が神城先輩の通う学校だったのも驚きだったけどまさかライナちゃんとも進学先が被るなんて誰が予想できていたんだか...
『こんな偶然とはどういう意味ですか?もしかして、輝星さんも...』
『うん、私もそこに進学する予定だよ。』
『本当ですか!?輝星さんと一緒に学校生活を送れるなんて!私、とっても嬉しいですっ!』
ライナちゃんは私と通う高校が同じだと知って大喜びしているようだけどそこが神城先輩の通う高校だと聞いたら途端にその喜びが消えちゃいそうな予感...
(だけど、このまま黙っておくわけにはいかないし...)
後になって色々と面倒な事になるくらいなら事前に伝えておいた方がまだ良いと判断した私は意を決してライナちゃんに話しかける。
『ライナちゃん、その...ちょ~っとだけ残念な報告になるかもしれないんだけどね?西聖高校って神城先輩が通う高校なんだよね...』
『えっ...何と...神城先輩の通う高校...でしたか。』
ほら!さっきまでとは明らかにトーンが下がっちゃってるし...これは確実に機嫌を悪くしたパターンに違いないね...
『ほんっとうに凄い偶然ですね!いいえ!これはまさに奇跡というべきでしょうか!これで私達は正真正銘の神城先輩の後輩になっちゃうというわけですし!』
『えっと、ライナちゃん?』
いやいや!思っていた反応と違ってて私の方が困惑させられているんだけど...あれっ?ライナちゃんって神城先輩に当たりが強いイメージがあったのに...
『ねぇ、ライナちゃんは神城先輩と同じ学校に通うって嫌じゃないの?』
『嫌だなんてとんでもないです!むしろ、あっ...何でもないです。』
『...?』
あれ、ライナちゃんが何かを言いかけてたような気がする...それに電話から聞こえるライナちゃんの声色は嫌がっているというよりも...
『ライナちゃん、もしかしてだけど...神城先輩と同じ学校に通える事を喜んでる?』
『ふぇっ!?なっ...何を言っているんですか!?神城先輩と同じ学校に通うのは嫌ではありませんが逆に嬉しいというわけでもありません!』
そのムキになった姿勢は図星と言っているようなものなんだけどね...
(私の知らないところで神城先輩とライナちゃんに何かあったのかな?)
たまに突拍子な行動に出る(私も人の事は言えないかもだけど)神城先輩の事だから十分にあり得る話かもしれない。
『それはともかく、ライナちゃんと同じ学校に通えるのは私も嬉しいかな。これからもよろしくね。』
『はいっ!もちろんです!』
今度会った時にそれとなく聞いてみようと私は誓ったのだった。
その頃、とある別の場所では...
『あ〜あ...せっかく、豪兄と同じ高校に合格できて喜んでたのになぁ...梨華はともかく、よりにもよってアイツも同じ高校ってツイてない...」
『まぁまぁ、そんな事言わずにさぁ...私らの分まで宇來の奴を可愛がってやってよ〜!アイツ、生意気にも彼氏が出来たとかいって調子乗ってたし〜!』
『何それ!?初耳なんだけど!?』
とある少女が友人と電話で密談をしていた。
『そういえば言ってなかったっけ?クリスマスの時にデートしてたんだよ。』
『なっ...!?デートぉ!?』
『まぁ、年が明けてからは受験勉強が忙しくなってアイツを可愛がってやる時間も減ったから言う機会もなかったか...あっ、そういうわけだから寘杏も向こうの学校でも頑張ってね!』
『はいはい...』
電話が切れると同時にその少女...寘杏は怒りを爆発させた。
(こっちは豪兄を振り向かせる事もままならないのに...宇來の奴、私よりも先にどこの誰かは知らないけど彼氏を作るなんて生意気な!高校に進学したら今まで以上に可愛がってやらないと...)
ライナをいじめていた主犯格の少女は勝手な逆恨みを募らせていった...
今後、△は寘杏視点の話となります。




