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「そうだ、チフユに教えておくけどこの国には王子は二人いる。先ずはアルフィ殿下。君にサイズの違う小さい下着を用意した……いや、君達に屋敷やら日常品を用意した方だよ」


「私の下着のくだりいる?」


 屋敷とか日常品は感謝してるんですよこちとら。おばあちゃん、醤油とか、後なんか知らんけど調味料豊富で喜んでたからね。

 あれ? そういえば今更だけどおばあちゃんの服やら下着はちゃんと用意出来てたって事だよね?

 おばあちゃん何も言ってなかったし。て事は、おばあちゃんの諸々のサイズはピタリと用意出来たという事? は???

 私にはあんなちっさい下着用意しといて? おばあちゃんはジャストフィットなの用意してんの?

 それは怪しくない?


「あのアルフィ、とか言う王子は絶対おばあちゃん狙ってるよね? ドンピシャでサイズ当てるとか、じっくりおばあちゃんを見てたって事だよね!?」


「不敬が過ぎる!!」


 バシッとフレドに頭を叩かれる。いやいや不敬どころしゃないんだよこっちは。

 権力者がおばあちゃんを狙ってるんだよ。今思えばおばあちゃんに舐めるようないやらしい視線を向けてたような気がしてきた!


「また自分の世界に入っちゃったね〜。その場にオレはいないけど、絶対向けてないと思うなぁ」


「向けてるわけねーでしょ! おいっお前! いくら異世界から来たと言えど限度があるぞ!!」


 あ、口に出してた。


「二人はあの場にいないじゃんか!! 知らないだろ! あの時のおばあちゃんの凛々しく毅然とした姿を!! あ、あんな姿を見たら……」


「その場にはいなかったが、トリス隊長から聞いてるぞ! お前大暴れしたそうじゃないか! アルフィ殿下の捕縛術をぶち破ったとも! そんな中でお前の婆さんなんかじっくり見てるわけねーだろ!」


「ば、ばあさん!? なんか!? 貴様ァ! 失礼極まれりかよ!! 絶対許さんからな!」


「お前にだけは失礼言われたくねーけど!?」


 私が失礼なヤツみたいに言わないで欲しい。

 そもそもあんな女神のようなおばあちゃんを婆さん、なんかと表現するフレドこそ失礼千万じゃないか!


 ぎゃいぎゃい言い争う私とフレドを、レオルカさんは間に入り宥めてきた。どうどう、じゃなくて。

 野生動物みたいにするのやめて。


「そこまでそこまで。チフユ、オレもね、その場にいなかったけど。大分脚色入ってると思うよ。アルフィ殿下は現在十八歳。チトセさんとは親以上に離れてる。……とまぁこれはチフユにとって安心材料じゃあないんだよね? 殿下には、婚約者がいるんだよ。十七歳の」


「……」


「何か納得してない顔だけど、この話は終わり! 続けるね。もう一人の王子はカイサル殿下。こちらはアルフィ殿下の兄にあたる。今は……二十一、だったかな?」


 ほぉん。まあ会う事はないだろうしどうでも……


「明日、オレ達と同行する予定」


「は?」


 なんて???

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