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拘束された少女が家にやってきた件  作者: 有原優


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第12話 自由

 そして、それから三年の時が経った。

 組織は崩れ革命が起きた。

 組織のしていたことは全て表にさらされ、春は晴れて自由の身となった。


 そしてついに春の拘束を解き宇鍵が手に入った。


「春、行くぞ」


 俺は言う。

 春は俺が告白を断ったあの日からも同じように接してくれた。

 実は悲しいと思っているのかもしれないが、それを表情にもあらわさないところがこの子の強さだなと思った。


「緊張しますね」


 そう春は小さく言う。


「拘束が気に入っているのか?」

「違います。今すぐにでも外したいです。でも」


 でも、の続きは分かる。自由になるのが怖いのだろう。

 様々な試練に当たるかもしれないのだ。


「だけど」

「分かってます」


 俺は鍵を外す。

 春の品品となった手を掴みながら鍵を外さないといけないのだ。

 緊張もするのは俺の方も同じだ。手足が自由になった春をどういう目で見たらいいのか、全くもってわからない。


 俺はとにかく枷に鍵を当て、枷を解いていく。


 そしてあっという間に彼女の手は解放された。

 春は解放された自分手を見て感慨にふけっているようだ。


 だが次の瞬間床に崩れ落ちた。それを見てすぐに俺は思った。

 体が弱っているんだなと。


「大丈夫?」


 奈々が訊くと、春は「うん」と頷いた。

 それを聞き、俺はほっと息をついた。


「あの、寿人さん」


 俺は効く。


「春はまだ体調が戻っていなさそうですけど、このまま俺たちが預かっていいですか?」


 世共党は壊され、奈々のお父さんが実権を握った。

 奈々のお父さんに任せた方がいいかもしれない。

 しかし、この子とまだ過ごしたいのだ。


「ああ、構わない」

「ありがとうございます」


 俺はお礼を言った。


「奈々、じゃあ今まで通り」

「私は無理だよ」


 奈々がまさかのことを言った。

 正直びっくりだ。


「だって私知ってるよ。春ちゃんが大輝のことが好きって」


 そうか、あの話を知らないのか。


「奈々、実はな」


 俺は詳しく説明する。

 すると、「ええ!?」と驚いて見せた。


「告白して既に振られてるの?」

「ああ、もう振った」

「うん、盛大に振られました」

「信じられない」


 鬼かとでも言いたそうな目だ。


「そうは言われても、俺は春の事は恋愛感情は無いが、今は妹のように思ってる」

「それで春は納得してるの?」

 春はただ頷いた。


「大輝さん、あの話はいいんですか」


 耳元でささやいてくる。

 ……そうだな。


「奈々、俺が春の告白を振ったのには理由がある。まず一つ、春の事は妹としか見れない事だ。だけどもう一つ理由がある。それは奈々、お前だ。俺はずっとお前が好きだった。だから頼む」


 俺は頭を下げる。


「俺と付き合ってくれ」

「急に言われても……」


 奈々は戸惑いの表情を見せる。

 やはりだめか。


「でもいいよ。付き合おう」

「え、いいのか?」

「春を一緒に支えてきた仲間だもん」


 こうして俺と奈々は付き合う事になった。

 それからしばらく俺たちと春は一緒に暮らし、一緒に笑い、一緒に支えながら暮らしていった。

 俺たちは一般的な高校生いや、大学生のレールから離れて行っていた気がするが、青春は取り戻せばいい。

 奈々との幸せな日々は、奈々と春との幸せな日々は始まったばかりなのだから。


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